阿部 異例8時間トレ!“水鉄砲”打開へ早出と居残り“ダブル特打”

[ 2015年3月17日 06:45 ]

全体練習後にマシン打撃を行う阿部

 午前11時15分。巨人・阿部はまだ誰一人いない川崎市のジャイアンツ球場の室内練習場に、バットを持って現れた。カーブマシンを相手に約45分間打ち込み、大粒の汗が頬を伝った。

 「時間は限られている。やれる時にやっておかないとね」

 全体練習では非公開で投内連係を行った後、屋外でシートノックやフリー打撃などフルメニューを消化。全体練習を終えると室内練習場に戻り、またも45分間、カーブマシン打撃に没頭した。プロ15年目、36歳の誕生日を目前にした開幕4番候補が、帰路に就いたのは午後6時。早出と居残りの“ダブル特打”で異例の8時間トレとなった。

 独特の練習を取り入れた。特打で本塁上でカーブマシンと正対するように立ち、一塁側ファウルゾーンへ打ち返した。1軍合流前日の13日、真横から来た球を打つティー打撃を行い「軸をぶらさず、バットを内側から出さないと前に打てない」とその狙いを語っていたが、今回はこれをアレンジした形だ。自ら考えて行動する今季のチームのテーマ「野性味」を実行した。

 開幕まで2週間を切り、実戦も残り5試合。チームの貧打は深刻で、目下、オープン戦は8試合連続1桁安打、チーム打率・215、さらに本塁打は12球団最少の1本だ。「水鉄砲打線」と嘆いた原監督は練習前に円陣で「野球で大事なのは個の力。個の力を上げていかなければいけない」と奮起を促した。村田が不振で2軍落ちし、坂本が足の張りで別メニュー調整中。刻一刻と開幕が近づく中、打線は1、4番を固定できていない。

 右ふくらはぎの張りで出遅れていた阿部は、14日の西武戦(西武ドーム)で1軍に合流後、2試合とも6番に座り、8打数1安打。4番の座は自らのバットで結果を残し、奪い取るしかない。「とにかく試合前に“こうしよう”と思ったことをやることを目標に臨むだけ」。巨人打線を目覚めさせるのは、やはり阿部しかいない。

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2015年3月17日のニュース