JR東日本東北 初4強!父・藤井監督の教え実践、亮太3年ぶり弾

[ 2015年3月13日 05:30 ]

<JR東日本東北・新日鉄住金かずさマジック>殊勲の左越えソロを放ったJR東日本東北・藤井亮太(左)は父親でもある藤井監督とガッチリ握手

第70回JABA東京スポニチ大会予選リーグDブロック JR東日本東北2―1新日鉄住金かずさマジック

(3月12日 大田)
 予選リーグの未消化分3試合が行われ、4強が出そろった。東北地区から唯一の出場となったJR東日本東北は新日鉄住金かずさマジックを2―1で下し、7度目の出場で初の準決勝進出。1点リードの5回に藤井省二監督(62)の長男・亮太内野手(27)が左越えソロを放ち、勝利に貢献した。13日は大田スタジアムで準決勝、決勝の3試合が行われる。

 父の教えを忠実に守った。1―0で迎えた5回。先頭で打席に入った藤井は、左腕・山川の初球スライダーを思い切り引っ張った。高く舞い上がった打球は左翼ポール際に吸い込まれた。

 「真っすぐ狙いだったが、体が反応した。初球からいってやろうという気持ちがよかった」

 藤井省二監督の長男。10年にともにJR東日本東北に入社し、今年で6年目になる。監督と選手。「グラウンドでは監督、それ以外は親父。もう慣れた」。球場を離れれば、2人だけで飲みに出掛けることもある。

 その父から口酸っぱく言われている言葉がある。「プロ野球選手でも追い込まれたら1割くらいしか打てない」。そして「投手に殴りかかるくらい、初球から思い切って振れ」と。予選リーグ突破の懸かった一戦で見事に実践した。12年の都市対抗東北2次予選以来3年ぶりの公式戦アーチに「積極的にいけた」と充実感を漂わせれば、藤井監督も「あいつの場合は(初球から振っていかずに)球を見ると消極的になるから」と納得顔だ。

 出身は千葉県だが、大学は福島県いわき市にある東日本国際大。東北での生活は今年で10年目を迎えた。前日は東日本大震災からちょうど4年となる特別な日にサヨナラ勝ち。この日も接戦を制し、JR東日本東北は初の4強入りを決めた。「東北の代表として、東北を引っ張っていけるような戦いをしたい」。孝行息子は頂点だけを見据えた。

 ◆藤井 亮太(ふじい・りょうた)1987年(昭62)10月5日、千葉県生まれの27歳。小3から野球を始め、土気南中では千葉市シニアに所属。成田では2年春からベンチ入りし、3年夏は県16強。東日本国際大では2年秋から二塁手のレギュラー。10年にJR東日本東北に入社。1メートル73、72キロ。右投げ右打ち。

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