呉昇桓 零封リレー締め!甲子園チーム防御率は“鉄壁”0・67

[ 2015年3月13日 05:30 ]

<神・ヤ>3者凡退に打ち取った呉昇桓

オープン戦 阪神1-0ヤクルト

(3月12日 甲子園)
 阪神投手陣の仕上がりの良さが目をひく。ヤクルト戦は先発のメッセンジャーに始まり、渡辺、安藤、松田、呉昇桓(オ・スンファン)が零封リレー。甲子園で行われたオープン戦6試合のチーム防御率は0・67というから驚異だ。

 呉昇桓がヤクルト戦の最終回に今春実戦初登板し、1回を3人で完ぺきに封じてスコアボードに9個目の「0」を刻んだ。昨季セーブ王の2015年“初セーブ”。直球の最速は144キロながら、キャンプから改良に取り組んできた「新ツーシーム」を2球、披露した。

 投じたのは1死後の藤井の3球目と、続く今浪の3球目。「打者の反応を確認しながら投げた。1球目はワンバウンドだったけど、2球目はそこまで悪くない」。今までにない球の軌道だった。

 チェンジアップと見まがうような、左打者の外角にスッと少しだけ沈んでいく“新球”。今浪の時の球速は138キロで、続く144キロの直球で詰まらせ、中堅への凡飛に仕留めた。受けた梅野は、今季と昨季のツーシームの違いに関して「今年は高さを意識しているな、という印象」と説明。試投した2球とも、高めに浮くことはなかった。

 自身で設定した課題に一定の解答を出しながらも、満足しないのが背番号22。理由は「アウト3つの取り方」にあった。

 「打球の質的にも、いい当たりの打球が多かった。凡打系の打球が多い結果の方がよかった」。投じた直球7球の球速はおおむね140キロ台前半。いくら1軍実績の乏しい対戦打者とはいえ、快音を響かせられた事実が悔しい。荒木が初球を打ち上げた中飛、藤井の右飛も、一歩間違えれば…という打球ではあった。

 「余計な力を抜いて投げられたし、良かった。これから実戦で投げていくと、自然と球速も上がってくるよ」と言葉を続けた。悔恨を次戦への力に変える。だから頼もしい。「自分が失点したら、9回裏に野手の皆さんが寒い中、攻撃しなければいけないから…。簡単に終わらせられて良かった」。余裕たっぷりのコメントに、来日2年目への決意もにじみ出る。

 「1つ目の目標は優勝、2つ目は、救援失敗の数を全球団の中で一番少なくする」。昨季のセ最多セーブ男は、タイトル防衛よりもチームを最優先に考える。新たな武器で進化を遂げた猛虎の守り神。まさに鬼に金棒だ。

 ≪チーム防御率1・46は12球団トップ≫阪神が今春最後の甲子園オープン戦で1―0とヤクルトを完封した。今オープン戦のチーム防御率1・46は目下12球団トップで、6試合で完封3度の甲子園では0・67までアップ。オープン戦の甲子園で完封3度、防御率0点台は00年以降では初めてとなった。

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