5年目左腕・島本に“江夏賞”!特注グラブ手渡し、寮に飾る予定

[ 2015年2月9日 08:55 ]

江夏氏(左)からグラブを贈られる島本

 指導最終日、阪神の江夏豊臨時投手コーチ(66)はウオーミングアップの前に投手陣を集めて、島本一人を呼びつけた。そして、「これを受け取ってくれ! 頑張るんだぞ」…。手渡したのは左投げ用の、江夏氏が命名した『誠』というメーカーのオーダーグラブだった。

 「島本くんに受け取ってもらいたくてね。ブルペンで投げる姿をずっと見ていて、決して恵まれた体格ではないのだけど、いい球を投げている。昨年までは三ケタの背番号(育成契約)だったけど、そこから頑張って…ね。これは偶然なんだけども、同じ奈良県人会なんだよな」

 キャンプインからの8日間、1軍参加の18選手全員と言葉を交わした。見るだけ…のスタンスでスタートしたが、気がつけば個別に話し、考えを聞き、アドバイスを送っていた。その中から能見や藤浪ら主戦級ではなく、まだ1軍登板のない、今年から支配下選手になった5年目左腕に“江夏賞”を贈った。

 突然に指名された島本は、何で自分が!?という表情だ。「名前が呼ばれたときはびっくりしましたが、本当にうれしいです」。さすがに実際には使いづらい様子で、鳴尾浜の選手寮の自室に大事に保管する予定だとという。

 キャンプを通してはキャッチボールの大事さを説かれ、「今は意識するようになりました」。第1クール中のブルペン投球の後には「強いボールが来ていたじゃないか」と声をかけられ、感激もした。「すごい励みになりますし、この期待に応えるのは結果を出して、1軍で頑張ることだと思うので、そうなれるように頑張りたいです」。

 江夏氏はこの日のうちに宮崎入りし、野球解説者としてのプロ野球キャンプ取材に切り替える。そして14日に、再び沖縄入りする。「ボクが一言言ったぐらいで変わるほど甘い世界じゃないよ。彼らがどう感じて、チャレンジしていくのか」。今シーズン、江夏氏の8日間が虎投にもたらす効果が楽しみだ。

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