ハムドラ1有原 初ブルペン 栗山監督も駆けつけウットリ

[ 2015年2月9日 07:05 ]

投球を終えた有原(左)のおしりを笑顔で叩く栗山監督

 注目度の高さを物語っていた。沖縄・国頭(くにがみ)の日本ハム2軍キャンプ。ブルペンの横にはテレビカメラが6台設置された。栗山監督も駆けつける中、昨秋ドラフトで4球団が1位指名で競合した有原(早大)が初めてブルペンに入った。捕手を立たせた状態で直球だけを30球。昨夏に痛めた右肘に不安を抱え、調整が遅れていた大物ルーキーが一つステップを踏んだ。

 「まずは自分でも投げられてホッとしている。まだ5割ぐらいの状態だが、指にいい具合に掛かった。もう一つ、二つと上がっていきたい」

 焦らず、着実に歩を進めてきた。昨年11月3日の早慶戦第2戦(神宮)で救援登板してから1カ月以上、ノースロー。年が明け、千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレーニングが始まっても「焦るつもりはない。ブルペンは沖縄に入ってから考える」と、同期の新人投手が本格投球を進める中、遠投でじっくりと肩と肘を鍛えてきた。沖縄入り後は体重移動を心掛け、短い距離でのネットスローを繰り返した。そして、この日のブルペン投球にたどり着いた。

 1メートル89の長身。真上から投げ下ろすと、回転のいい球が伸びてきた。名護の1軍キャンプから車で約40分かけて視察に訪れた栗山監督も「ホームベースを過ぎてからの数十センチの勢いが違う。なるべく笑わないようにしていたが、うれしかったね」と頬を緩ませた。

 指揮官にとっては、5年前から追い掛けてきた「恋人」だ。キャスター時代の10年夏の甲子園で広陵エースに一目ぼれした。「高校時代の一番いいときのイメージを持っている。自分が持っている感覚は間違いでなかった」と最速156キロ右腕の潜在能力の高さを再認識。ここから開幕ローテーション争いに入ってくることも想定している。

 そんな栗山監督の思いは、有原にも伝わっている。「(監督に)投げられる姿を見せられてよかった」。リーグ3位でCSに進出した昨季は、二刀流で11勝を挙げた大谷をはじめ、浦野、上沢、中村と若い投手がブレークした。今季も頼もしい孝行息子が現れそうだ。

続きを表示

2015年2月9日のニュース