おかわり「浮かす右足」で11本柵越え!強烈パワーのバロメーター

[ 2015年2月9日 08:20 ]

中村の打撃練習。打つ瞬間に右足を浮かせている

 最終スイングだった。強烈な回転運動から放たれた西武・中村の打球は、決して狭くはない南郷スタジアム(中堅122、両翼100メートル)の左中間席後方に設置された防球ネットに突き刺さった。キャンプ序盤のフリー打撃ながら34スイングで11本の柵越え。「ここまで順調です」と笑った。

 08年から昨年までの7年間で5度も本塁打王に輝く和製大砲。規格外の飛距離を生むのがインパクトの瞬間の「浮く右足」だ。「気が付いたのは7、8年前。それまでは無意識でした」と言う。通常、右打者は軸足の右足を地面に接地したまま、こするように爪先を投手方向に向けて回すが、中村は一瞬だけ浮き、空中で爪先が投手方向を向き着地する。摩擦が減ることで体を鋭く回転させることが可能で、瞬間的に102キロの体重を投手寄りにぶつけることで爆発的な飛距離を生む。

 中村は「シーズンが近づけば、もっと右足が上がってくる」と話すなど右足の動きは調子のバロメーターでもある。「うまく口で説明できないけど、例えば車と車が正面でぶつかると後ろのタイヤは浮きますよね。だからパワーは伝わっているのかな、と思う。右足が浮くと確実に体の回転は速くなります」と話す。

 右肘痛に苦しんだ昨季はスタメン落ちする試合もあった。シーズン通して4番の責務を果たせず、チームも5位だった。オフに遊離軟骨除去のクリーニング手術を受けた右肘の状態も良好。今季に懸ける思いは強い。

 田辺監督も中村について「開幕戦で万全の状態でいてくれればいい。心配はしていない」と全幅の信頼を寄せる。目指すは7年ぶりのリーグ優勝と日本一。中村の右足が浮けば、チームも浮上する。

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2015年2月9日のニュース