DeNAドラ1山崎康は“ナックル王子” 本田のブレ球FKも分析

[ 2015年1月19日 05:30 ]

ブルペンで投球練習を行う山崎康

 DeNAに「ナックル王子」がいた!ドラフト1位・山崎康晃投手(22=亜大)は18日、新人合同自主トレが行われている横須賀市内のベイスターズ球場でブルペン入り。現在、日本球界ではほとんど投げる投手がいない魔球ナックルボールを初披露した。

 無回転で揺れる軌道に、ブルペンの横で見学していたファンからどよめきが上がった。捕手を初めて座らせて42球を投げた山崎康。「魔球」の正体はナックルボールだ。

 直球と変わらない投球フォームで、中指、薬指を立てて握る。予測不能の軌道に、捕手を務めた定岡2軍用具担当は「おっ、すげーな」と戸惑いの表情。名刺代わりとばかりに、いきなり5球を投じたドラフト1位右腕は「まだまだです。プロの球はアマチュアより(縫い目の)山が低いので合わせていかないと。もっと精度を上げたい」と表情を引き締めた。

 現在の日本球界ではほとんどお目にかかれないが、山崎康は硬式野球を始めた高校(帝京)で初めて覚えた変化球がナックルボールだという。研究したのは使い手である元レッドソックスのウェークフィールドや、「ナックル姫」の愛称で知られる吉田えり(BCリーグ・石川)。それだけではない。なんとサッカーのC・ロナウド(レアル・マドリード)や本田圭佑(ACミラン)の無回転FKの映像も何度も動画サイト「You Tube」で見直して分析しているという。

 「浮力を使わないようにどう蹴っているか。無回転はキーパーも捕りにくい。僕も体の使い方を変えたりしてナックルの参考にしていた」

 山崎康は最速151キロを誇るが、亜大でも4年時には1試合で4、5球は100キロに満たないナックルボールを投げていた。「どう変化するのか予測がつかない球。長距離打者の目先を変えるのに効果的だと思う」とメリットを強調する。

 今回が早くも5度目のブルペン入り。威力と制球力を兼ね備えた直球に、右打者の懐をえぐるツーシーム、落差のあるカーブに加えてナックルボールも実戦で使えるメドが立てば大きな武器になる。「いずれは打者がナックルと分かっていても“打てるなら打ってみろ”と投げ込める球にしたい」。魅惑の魔球がベールを脱ぐ日が待ち遠しい。

 ▽ナックルボール 無回転で打者の手元で揺れながら落ちる、現代の「魔球」とも呼ばれる。親指と小指でボールを挟むように持ち、残りの3本(もしくは2本)の指をボールに突き立て手首を固定してボールをはじくように投げる。球速は100キロ前後。軌道があまりにも不規則なため捕手が捕れないケースも 多く専用の大きなミットを用意する捕手も。ナックル(Knuckle)は指の関節の意。

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