ロッテドラ2田中 宿題追加申し出!“弱点”強化でコーチ質問攻め

[ 2014年12月13日 05:30 ]

田中は今年の漢字を聞かれ「忙」を挙げる

 今秋ドラフトでロッテから2位指名を受け、京大から初のプロ野球選手となった田中英祐投手(22)が12日、来年1月9日にスタートする新人合同自主トレに向けて、肩甲骨の強化を打ち出した。最速149キロを誇る右腕だが、プロでさらに強いボールを投げるために、自身の最大の課題が肩甲骨にあると分析。球団に自らトレーニングメニューの追加を申し出る「異例」の行動に出た。田中を含むロッテの新入団7選手は同日、さいたま市にある2軍施設や親会社の工場などを見学した。

 ロッテと契約は済ませても、まだ現役京大生。自ら「宿題」をもらうあたりは秀才ルーキーならでは、だ。

 「肩甲骨周りの筋肉の鍛え方を教えてください」

 これは田中が楠1軍トレーニングコーチに投げかけた言葉。11日の新入団発表会の前に、新人合同自主トレまでのトレーニング説明会が行われた。手渡されたのは「100メートル、70メートル、50メートルダッシュ」「ポール間ダッシュ」「45分走」などランニング中心のメニュー。その後、田中は同コーチに個別質問。メディカルチェックで「肩甲骨の固定力が弱い」と指摘されたためで、同コーチは「その部分をかなり気にしていた。細かく質問を受けた」と言う。

 400勝投手の金田正一氏には現役時代、その日の肩甲骨の動きだけで好不調を判断できたという逸話がある。強いボールを投げるためには肩甲骨周りの背筋を鍛え、同時に可動域を広げることで、自在に肩甲骨を動かせる能力が身につく。特にテークバック時は、弓を引くようなイメージで肩甲骨を背骨に引き寄せる。肩甲骨の動きが浅いと、肩が前に突っ込んだ状態で腕を振ることになる。結果として上半身の筋力に頼った投げ方となり、ボールにかけられるスピンは弱くなり、初速は上げられたとしても、終速まで上げることはできない。

 意気軒高ならぬ意気肩甲――。楠コーチからは1キロのダンベルやゴムチューブを使って肩甲骨を体の中心に寄せるイメージで、日々20回×3セットの練習法を助言され、田中は「これからどうやって練習していくかイメージが湧いてきた。当面の目標は一番良い状態で1月の新人合同自主トレに臨むこと」と話した。

 2軍のロッテ浦和球場や選手寮を見学した際には、「ここでならいい生活が送れそう」と話したが、直後には「(開幕したら)ここには来ないようにしないと。田中はこの夜に京都に戻り、今後は卒業論文の仕上げに追われる日々となる。一方で、「年末年始も実家の周りを走るつもり。近くに山もあるので」。地元・兵庫県高砂市には高御位山(たかみくらやま)や竜山山地といった山が多く、高校時代に山間ランニングを行った場所での「山ごもり」で体をいじめ抜く。プロ野球の世界で「京大」のブランドが何の意味も持たないことは、田中自身が一番知っている。

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