21世紀枠推薦の松戸国際 トンボに誓う甲子園初出場 年内最終戦は快記録で勝利

[ 2014年11月23日 18:14 ]

センバツ21世紀枠千葉県推薦校の松戸国際・村田と亡き父の形見のトンボ

 来春センバツの「21世紀枠」に千葉県から推薦されている松戸国際(千葉)が23日、松戸市内の同校グラウンドで年内最後の練習試合を行った。エース右腕・植谷翔磨投手(2年)が土浦日大(茨城)を相手にノーヒットノーランを達成。130キロ台後半の速球に、曲がりの小さいスライダーを交えて凡打の山を築いた。味方の失策で打者1人の出塁を許したのみと完璧な投球に「ストレートが伸びて、低めに決まった」と笑顔。打っては沢辺太一外野手(2年)の右越え先制2ランなども飛び出し、3―0で快勝した。

 同校は今秋県大会で専大松戸や習志野などの強豪校を破り準優勝。公立校ながら関東大会でも8強入りの好成績を評価され、21世紀枠県推薦校に選出された。植谷は「甲子園は高校野球の頂点」と憧れのまなざしを向ける。

 植谷だけでなく、部員60人全員にとっても甲子園は悲願。特に村田直人内野手(2年)は、天国の父に吉報を届けたいと日々の練習に励む。関東大会は背番号18でベンチ入り。出場はなかったが、相手チームの分析を担当する「ボード」と呼ばれる係を務める。

 昨年12月、難病の骨髄線維症を患った父・耕一さんが脳内出血を繰り返し、54歳で帰らぬ人となった。悲しみの中、生前の父の言葉「お前は野球に集中しろ」とのを思い出し、翌日から練習参加を申し出た。市船橋で岩崎(現ソフトバンク)らを育て、07年から松戸国際の指揮を執る石井忠道監督は「驚いた。気持ちだけで十分だ、お父さんのそばにいてあげなさいと言った」と振り返る。村田は「父は今年の春の大会を楽しみにしていた。プレーを見せることはかなわなかったけど、上から見ていてくれるだろうから頑張ろうと思った」。1メートル80、82キロの恵まれた体格を生かし、1ケタの背番号奪取を目指す。

 グラウンドには、大工だった亡き耕一さんが手作りしたトンボが残る。「形見を残してくれた。父にできる恩返しは甲子園に出ること」と村田は力を込める。

 松戸国際を含め関東地区の推薦校は8校。来月には全国の各地区の推薦9校が発表され、来年1月23日に出場3校が決まる。

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2014年11月23日のニュース