19打席目でついに!おかわり2世 プロ初安打がV弾

[ 2014年9月16日 05:30 ]

<西・楽>2回1死、プロ初となる今季1号先制ソロを放ち、ナインの手荒い祝福を受ける山川

パ・リーグ 西武9-1楽天

(9月15日 西武D)
 見逃せばボール気味の高めの142キロ直球を振り抜いた。0―0の2回1死。「おかわり2世」こと西武のドラフト2位新人・山川が放った打球はバックスクリーン右に飛び込む。

 19打席目で飛び出した待望のプロ初安打が先制ソロ。そして決勝弾になった。ベンチに戻ると、中村と笑顔でハイタッチを交わした。

 「プロに入ってからずっと打ちたかった。あまり覚えてないけど、凄くうれしい」

 沖縄出身で、1メートル76、105キロ。泡盛1升に沖縄そば6杯、ステーキ10人前を1日で平らげたこともある大食漢だ。1メートル75、102キロの主砲・中村と体形がそっくりで、富士大時代から動画投稿サイトで研究していたというほどの「おかわりマニア」を自負する。打席での構えもそっくり。右手で持ったバットを肩に乗せて呼吸を整え、全身の力を抜く。そして右手で押し込むイメージを描く。

 前日に3度目の1軍昇格。2軍では21本塁打と地力を見せながら、これまで計15打数無安打で1軍の壁にはね返されてきた。1軍では緊張と力みで打撃フォームを崩し、持ち味を出せずにいたのだ。そんな中、憧れの中村からアドバイスをもらった。「引っ張ろうとしすぎている。中堅方向に向かって打て」。そしてその言葉を体現した。中村も「ベンチ裏にいて、パーンと音がしたので飛び出した。良かったですね」と喜んだ。

 「敬老の日」のこの日。打席に入る際の登場曲に、沖縄では誰もが知るBEGIN(ビギン)の「オジー自慢のオリオンビール」を初めて使用した。「オジー」とは沖縄の方言でおじいさんのこと。そして沖縄の祖父母と母・喜代子さん(49)を球場に初めて招待した。最高のプレゼントを贈り、「残り試合は少ないけど、1本でも多く本塁打を打ちたい」。初めて上がったお立ち台の感想は「人がたくさんいるなと思った」と初々しかった。

 ◆山川 穂高(やまかわ・ほたか)◆

 ☆生まれ、サイズ 1991年(平3)11月23日、沖縄県生まれの22歳。1メートル76、105キロ。右投げ右打ち。血液型A。

 ☆球歴 中部商(沖縄)では高3時、「4番・右翼」で出場した夏の沖縄大会決勝で興南に敗れて準優勝。高校通算27本塁打で甲子園出場はなし。富士大では1年から4番打者として起用され、13年東アジア大会の代表に大学生で唯一選抜された。13年ドラフトで、西武から2位指名された。

 ☆ニックネーム 自身も大好物の沖縄ブランド豚にちなんで「アグー」。

 ☆会ってみたい芸能人 安室奈美恵。理由は「地元・沖縄のスーパースターだから」。

 ☆趣味 食べること。「おなかがすくと、眠れずにイライラします」

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