BC信濃 大塚がけじめの5球「いい思いをさせてくれてありがとう」

[ 2014年9月16日 05:30 ]

7年ぶりに公式戦に登板したBC信濃の大塚

 けじめの5球だった。独立リーグ、ルートインBCリーグ信濃の大塚晶文監督(42)が15日、新潟とのリーグ最終戦(オリスタ)の6回に救援登板。レンジャーズに所属していた07年7月1日のレッドソックス戦以来7年ぶりのマウンドで、打者1人と対峙(たいじ)した。現役選手として最後の1球は宝刀スライダー。空振り三振に仕留めた。

 「これまで支えてくれた人のために投げた」。マウンドに手を触れてから降板。「9歳から野球を始めて33年間ずっと上がっていたところなので“いい思いをさせてくれてありがとう”と伝えた」。家族から花束を受け取ると男泣きした。

 07年に右肘を故障。6度の手術を経て昨季途中に信濃入りし、今季は監督に就任した。帰国後に肩や指も痛めて一度も登板できず、一時は左投げにも本格的に挑戦。現役へのこだわりを見せていたが、心臓移植手術が必要な長野県の少女の存在を知り、病を克服してほしいとの願いを込めた登板で選手にピリオドを打った。指導者としての今後の目標として「プロ野球で一流の投手コーチになるのが夢。投手コーチで実績を残して、信頼される人格を得て、監督をやってみたい気持ちがある」と話した。

 ◆大塚 晶文(おおつか・あきのり)1972年(昭47)1月13日、千葉県生まれの42歳。96年ドラフト2位で近鉄入団。98年に最優秀救援投手賞を受賞。03年に中日に移籍、同年12月にポスティング・システム(入札制度)でパドレス入り。06年からレンジャーズで2年間プレーした。06年の第1回WBCでは守護神を務めて胴上げ投手に。通算成績は日本が305試合で14勝23敗137セーブ、大リーグが236試合で13勝15敗39セーブ。1メートル82、92キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

この記事のフォト

2014年9月16日のニュース