メヒア30号一番乗り シーズン途中加入本塁打王なら史上初

[ 2014年9月8日 05:30 ]

<ソ・西>4回1死、左越えにソロを放ちバットを放り投げるメヒア

パ・リーグ 西武6-3ソフトバンク

(9月7日 ヤフオクD)
 打った瞬間、確かな感触があった。だからこそ、バットを両手で前に放り投げた。4回、西武・メヒアは大隣の初球、スライダーをアッパーで振り抜く。左翼席に飛び込んだのを確認すると、ゆっくりと歩きだした。

 5月15日の日本ハム戦(札幌ドーム)での初出場初アーチから116日目。ついに単独トップに立った助っ人は「しっかりと叩くことだけを意識した。(本塁打は)一発で点を入れることができるので、打ててうれしい」と喜びを表現した。

 途中加入ながら、7月に8本、8月も11本をマークするなどハイペースで量産。同僚の中村、オリックス・ペーニャをかわし、大台到達一番乗りとなった。西武の外国人選手で30本塁打以上は、06年のカブレラ以来8年ぶり。メヒアにとっては母国・ベネズエラの英雄に肩を並べた。

 成功の秘けつは順応性にある。日本ではほとんどの投手が初対戦だが、ファーストストライクを積極的に振る姿勢が奏功。宮地打撃コーチは「日本特有の外角攻めなどを嫌がらず受け入れてくれた。パワーとスピードもあり、外国人が成功する秘けつを備えている」と絶賛した。あいさつは必ず日本語。サインを求められれば、カタカナで名前を書くほど日本に愛着を持っている。鈴木葉留彦球団本部長も「これだけの成績を残してくれた。今季終了後にきちっとした形で」と残留を要請する意向を示した。

 シーズン途中に来日した外国人選手が本塁打王を獲れば、史上初の快挙となる。残りは22試合。いつもはタイトルに興味を示さないメヒアも「(30本は)とてもいい数字。シーズンが終わってキングになっていればいいね」と前向きに話す。米国では一度もメジャー昇格を果たせなかったが、ジャパニーズドリームは目前だ。

 ≪新外国人メヒア本塁打王ならチーム初≫新外国人のメヒア(西)がリーグ単独トップとなる30号。来日1年目の外国人本塁打王は13年アブレイユ(日)まで11人いる。ただし、西武では90年デストラーデ、02年カブレラの2年目が最速。今季メヒアが手にすればチーム初めてになる。

 ≪シーズ途中加入外国人本塁打王はおらず≫メヒアは開幕時には不在で、5月15日の日本ハム戦で初打席本塁打。過去にシーズン途中で入団した外国人の本塁打王はおらず、メヒアに初の記録がかかる。また、初打席本塁打をマークした打者がそのシーズンに本塁打王は09年ブランコ(中)だけ。メヒアが獲得すれば2人目になる。

 ≪最大背番号は60≫これまで本塁打王の最大背番号は門田(南海)、中村(西)の60。99をつけるメヒアがキングになれば、これを大幅に更新する。

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2014年9月8日のニュース