則本 ネイマール級9勝「キーマン」大谷を雄叫びK斬り

[ 2014年6月30日 05:30 ]

<日・楽>9勝目を挙げた則本

パ・リーグ 楽天3―2日本ハム

(6月29日 札幌D)
 勝負強さもネイマール級だ!楽天・則本昂大投手(23)が29日、日本ハム戦で8回を2失点と好投し、ハーラートップタイの9勝目をマークした。1点リードの6回に大谷翔平投手(19)に同点ソロを浴びたが、8回の対戦では力勝負で空振り三振。気迫の投球で9回の勝ち越し劇を呼び込んだ。W杯ブラジル大会で準々決勝進出を決めたブラジル代表の10番にどこか風貌が似ている2年目右腕の快進撃は止まらない。

 力と力、気迫と気迫。2―2の同点で迎えた8回2死無走者、18・44メートルの距離で火花が散った。年齢は違うが、ともにプロ2年目。1点リードした6回にスライダーが甘く入り、同点ソロを浴びていた則本は、三振を狙いにいった。

 「リードした状況で進められなかった自分への怒りがあった。大谷がキーマンだと思った」

 初球はプロ最速タイの153キロ内角直球でのけぞらせる。そこからフォークと直球で空振りを奪うと、4球目の勝負球も直球を選択した。148キロの直球。大谷もフルスイングで応戦したが、バットは空を切った。則本は右拳を握り、腹の底から雄叫びを上げた。

 「力で勝とうと思った。2アウトで理想の三振が取れた」。右腕の気迫は打線に伝わり、直後の9回は2死から勝ち越し。8回7安打2失点で、オリックス・西に並ぶハーラートップの9勝目を挙げた。

 勝負どころでギアを上げ、試合の流れを呼び込む。憧れの先輩に少しだけ近づいた。昨季までのチームメートで、今季からヤンキースに移籍した田中について「打線の援護が欲しいときは直前のイニングの最後の打者で空振り三振を狙う。ガッツポーズをすると、チーム全体が盛り上がって、直後の攻撃で得点が入る。そんなシーンを何度も見ました」と言う。大谷を空振り三振に仕留めた姿は、まさに元エースと重なる。「去年は、田中さんを見て少しは成長できたと思う」と笑った。

 チームはリーグ戦再開後の3連戦に勝ち越し、西武と並び5位タイに浮上した。星野監督が腰痛で休養する中、交流戦では新記録となる4完封を達成するなど、投手陣をけん引している則本。「シーズンはこれからです」。頼れる2年目右腕は、真夏の反攻を思い描いている。

 ▼楽天・佐藤監督代行 則本は全体的には良かったと思う。大谷の本塁打はスライダーが曲がらずにドンピシャでやられた。9回は「同点ならもう1回行かせてください」と言ってきた。

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