阪神V確率0% 6月終了時点で借金…

[ 2014年6月30日 07:53 ]

<神・中>9回、ベンチで厳しい表情の(左から)和田監督、吉竹コーチ、関川コーチ
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セ・リーグ 阪神2―10中日

(6月29日 甲子園)
 和田阪神がピンチだ。3試合連続で初回に先制点を許し、この日も後手に回る展開。それも、生半可な失点ではない。スコアボードに記された数字は「8」。阪神の初回8失点以上は、98年以来16年ぶりの惨状だ。とはいえ、その全責任を先発・能見だけに負わせるわけにはいかない。拙守も大きな敗因の一つだ。

 「投手がしんどい時は野手がしっかり守ってやらないといけないし、その逆で1つ2つエラーがあっても、そこは投手がしっかり頑張らないと。カバーし合うというところができていなかった」

 和田監督の指摘通り、理想は「投」と「守」の補完関係。それができなかった。初回だ。まずは4点を失い、なおも無死一、二塁のピンチで藤井の一塁前への犠打を処理したゴメスが、まさかのジャッグル。傷口を広げると5点目を奪われ、なおも2死二、三塁では大島の打球を二塁手・上本がトンネルし、2者の生還を許した。もがき苦しむ能見を、盛り立てることができなかった。

 「(4位転落に)もちろん早い段階で取り返さないといけない。この流れをなんとか打破して、ね。4月の頃の野球ができるように、1日1日やっていくしかない…。“やっていくしかない”ではなく、やっていきます!」

 ミスミス自滅し、Bクラス転落。それでも指揮官は懸命に前を向いた。だが、不吉なデータが猛虎の前に立ちはだかる。阪神に限った数字上の統計では2リーグ分立後の50年から昨年まで、6月終了時点で借金を抱えたシーズンは30度あるが、優勝した前例がない。つまり6月終了時で借金2を背負っている今季の優勝確率は「0%」ということになる。加えて、Aクラスに入った例も同ケースで5度。確率にして、17%しかない。この日の1敗は、まさに痛恨の敗戦だったわけだ。

 とはいえ、まだ残り73試合。頂点をあきらめるには早すぎる。「もう一回、目指すところに向かって、強い気持ちでやっていかないと。絶対にズルズル行くわけにはいかない」。ピンチは、球団史を塗り替えるチャンスでもある。

 ≪初回8失点は16年ぶり≫阪神は初回に8失点。1イニングに8失点以上するのは、昨年9月8日巨人戦(甲子園)の6回に9失点して以来。初回に限ると98年4月25日の巨人戦(甲子園)で9失点して以来16年ぶり。

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2014年6月30日のニュース