ロッテ石川 1カ月ぶり5勝「絶景!」決めゼリフも復活

[ 2014年6月30日 05:30 ]

<ロ・オ11>殊勲打を放った角中(中央左)と石川(中央右)はファンと一緒に喜びを分かち合う

パ・リーグ ロッテ2―1オリックス

(6月29日 QVC)
 1週間前の悪いイメージを拭い去るのに、時間はかからなかった。初回、先頭・平野恵に対し、ロッテ・石川は直球勝負に出た。初球は内角143キロで見逃し。2球目は外角に外れたが、3球目の内角141キロの直球で投ゴロに仕留めた。心の中の不安が消えた。

 「いつも初回に失点していたので、最初は不安でした。先頭打者を抑えて、力が抜けた」

 最速146キロの直球と同じ腕の振りで、110キロ前後のカーブと約130キロのシンカーを巧みに織り交ぜた。8回を4安打無失点。球数は94球でプロ初完封も目前だったが、伊東監督に「どうだ?」と聞かれると「もう十分です」と答えた。チームトップタイの5勝目。5月24日の巨人戦(QVCマリン)以来、約1カ月ぶりの白星だった。

 ドラフト1位右腕は壁にぶつかっていた。22日の中日戦(ナゴヤドーム)は6回を投げ、不名誉な球団ワーストタイ記録となる16安打を浴び「なかなか気持ちを切り替えられなかった」と言う。翌日からタオルを使ったシャドー投球を始めた。「体が開いて直球がシュート回転し、打者に球の軌道が見やすくなっていた」と川越投手コーチ。毎日30分以上かけて正しいフォームを体にしみこませ、本来の直球の切れを取り戻した。

 開幕1軍メンバーに名を連ねていた同期入団の井上、吉田、吉原の3人が相次いで2軍に降格した。「次は俺と思っていたので、この試合に懸けていた」と石川。伊東監督も「背水の陣だった。真剣さが伝わってきたね」と安どの表情だった。

 今季5勝のうち日曜日の勝利は4度目。「サンデー五右衛門」は、お立ち台でお決まりの言葉を絶叫した。「絶景です!」。チームの連敗を3で止める快投。何より、失いかけた自信を取り戻した。

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