おかわり 復帰戦初打席「駆けつけ」V打 伊原監督「存在感もでかい」

[ 2014年4月26日 05:30 ]

<ソ・西>初回、復帰初打席で適時二塁打を放つ中村

パ・リーグ 西武2-1ソフトバンク

(4月25日 ヤフオクD)
 思った以上に打球は加速度を増して伸びた。今季初出場。背中の張りを訴えて開幕2軍スタートとなった西武・中村が、復帰初打席でやってのけた。初回2死一、二塁。2ボール2ストライクから摂津の140キロを、逆方向の右翼フェンス最上部に直撃させる2点適時打。これが先制点、そして決勝打ともなった。

 「ライトフライかと思ったが、思ったより飛んでいった」。この日に出場選手登録され、即「5番・一塁」で先発出場。まさに「駆けつけ」タイムリーだった。

 中村はキャンプ中の2月18日のフリー打撃中に左脇腹の違和感を訴えて離脱。3月中旬に実戦復帰したが、今度は背中の張りを訴えて再び離脱していた。主砲を欠いたことでチーム打率・222、74得点、10本塁打は、すべて12球団最低。最下位に甘んじるチームに「客観的に見てて、みんな浮ついてる感じがした」。その歯がゆい思いを一振りに込めた。

 1月の自主トレでは、ティースタンドにボールを乗せ、6秒ほど軸足一本で立ったあとにバットで捉える練習を繰り返した。球をしっかり引きつけ、自らのタイミングで打つイメージを植え付けた。昨季は左膝の手術を受けた影響で、復帰は9月までずれ込み、26試合の出場に終わった。全20安打中、右方向へは単打の1本だけだった。

 そしてキャンプ初日に行われたロングティー打撃。本塁付近でトスされた球を、ホームラン競争のような豪快な振りでスタンドへはじき返した。100キロを超える同じ巨漢で長打力が持ち味のドラフト2位ルーキー山川は「“打球の回転数を少なめにするか”と、ぼそっと言っていた。すごすぎる」と回顧する。自在に球を捉える技術で後輩を驚かせた。だからこそ、復帰初打席で外野フェンスまで飛ばせた。

 3、4打席は四球で出塁した。伊原監督は「体もでかいけど、存在感もでかい。相手への圧力が凄い選手ですよ」とたたえた。「飛ばないボール」時代の11年、48本塁打でキングに輝いた。昨季「飛ぶボール」でヤクルト・バレンティンが打ち立てたプロ野球記録の60本塁打を抜けるのは、この男以外にいない。「今年は多分、めっちゃ打つと思う」。2カ月前のキャンプ中の言葉が思い出される。

 ≪1点差試合今季初勝利≫今季初出場の中村(西)が初回にV打となる2点適時打。中村のシーズン初戦適時打は03年、11年、13年に次ぎ4度目。左膝手術明けの昨年9月6日ロッテ戦に続き、自ら適時打で復帰戦を飾った。チームは9回に1失点も2―1で逃げ切り。今季これまで1点差試合は0勝9敗と12球団で唯一全敗だったが、中村の活躍でようやく初勝利を挙げた。

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