バレ軽く振って自己最速1号 一塁守備もバッチリ?「Gグラブ狙う」

[ 2014年2月23日 05:46 ]

<ヤ・楽>3回無死バレンティンは左中間へ1号本塁打を打つ

オープン戦 ヤクルト4―7楽天

(2月22日 浦添)
 プロ野球のオープン戦が22日、本格開幕し、沖縄と宮崎の両県で6試合が行われ、球春を告げた。昨季60本塁打のプロ野球新記録を樹立したヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が楽天戦の3回に左中間越えに「今季1号」を放った。右翼からコンバートされた一塁守備もまずは無難にこなし、来日から4年連続本塁打王に好スタートを切った。オープン戦は3月23日まで行われ、公式戦は28日にセ、パ両リーグで同時開幕する。

 力まずに、軽く振り抜いた。最後は左手一本。それでもバレンティンの放った打球は左中間席に飛び込んだ。

 「打った瞬間、手応えがあった。まさか初戦で本塁打が出るとはびっくりしたよ」

 「4番・一塁」での今季初実戦。先頭打者で迎えた3回の第2打席。戸村の外角の直球に腕が伸びた。「力を入れて速くバットを振ろうとすると、逆にスイングが遅くなるときがある」。上体をリラックスさせ、コンパクトなスイングを心掛けたことが奏功した。今キャンプ中のスイングスピード測定ではチームNo・1、驚異の151キロ。それだけの速さがあれば、軽く振っても飛ぶ。昨年も初実戦出場となった2月11日の紅白戦で3ラン。この助っ人に「助走」はいらない。さらに「何球か打てる球を見極めて打つことができた」と言うように、一度も空振りすることなく、初回は四球、2打席で交代予定ながら自ら直訴して立った5回は左前打と全3打席で出塁した。

 最下位からの巻き返しを期すヤクルトの今季改革の目玉がバレンティンの一塁コンバート。昨季苦しんだ左アキレス腱の負担を減らすのが狙いの一つだ。この日の一塁守備では、2回に嶋の緩いゴロが1球しか飛んでこなかった。ただ、「内野は次に何が起きるか、200%以上集中しないといけない」と、一塁に走者がいる場面では、投手からのけん制を想定して腰を落とすなど、基本には忠実だった。指揮官も「彼なりに真剣にやっていた」と評した。コンバートが実現すれば、空いた外野を含め新たなチーム内競争も生まれる。

 バレンティンにとって、オープン戦2打席目での本塁打は、11年の10打席目を更新して来日4年目で自己最速。「トリプルクラウン(3冠王)とゴールデングラブを狙うよ。デモ、ゴールデングラブ、チョットアブナイ」といつも通りおちゃめに締めくくったバレンティン。オフに離婚協議中の妻を暴行、監禁したとして米国で逮捕される騒動もあったが、外野でも一塁でもバレンティンはバレンティン。初実戦でキングの貫禄を存分に示した。

続きを表示

この記事のフォト

2014年2月23日のニュース