「2年目のジンクス」あるか?“実質2年目”選手も要注意

[ 2014年2月23日 07:44 ]

フリー打撃に初登板した則本は開幕投手に名乗りを上げた

 プロ野球はいよいよキャンプ終盤。昨年は新人の当たり年だったこともあり、新人王の小川泰弘(ヤクルト)や則本昂大(楽天)、そして菅野智之(巨人)や藤浪晋太郎(阪神)らの調整具合、そして「2年目のジンクス」が気になるところだ。

 昔から、活躍したルーキーたちに背後霊のようにつきまとう「2年目のジンクス」という言葉。代表例としてよく挙げられるのが1980年に活躍した木田勇(日本ハム)や、1999年の上原浩治(巨人)など、新人で最多勝に輝いた翌年に急ブレーキを踏んでしまったケースだ。その一方で、野茂英雄(近鉄)や松坂大輔(西武)など、2年連続で最多勝に輝いた「ジンクス無縁」の選手も意外と多い。近年は、摂津正(ソフトバンク)、牧田和久(西武)、野村祐輔(広島)、益田直也(ロッテ)など、2年目もルーキーイヤーに引けを取らない成績を残すケースが増えている。

 「2年目のジンクス」の原因といわれるのが、オフの間の取材攻勢やイベント出席による体調管理の難しさ。だが、最近では球団側も十分この辺りを心得ているので、取材数やイベントの数を調整しているという。まだまだ2年目、という若手の勢いで乗り切ってしまえるケースも多いだろう。

 むしろ見落としがちなのが、苦労の末にブレイクした「実質2年目」の選手だ。代表例は日本ハムの吉川光夫。2012年には最多勝に輝きリーグ優勝の原動力になったが、翌2013年はリーグワーストの15敗で、これまたリーグ最下位の要因となってしまった。ルーキーではないからこそ、自身も球団側もケアも甘くなってしまうのかもしれない。そうならないように、ぜひ継続した活躍をして見せて欲しい。

 雑誌『野球太郎』編集部が取り組んだ、「呪い」や「ジンクス」を切り口に野球界を分析した雑誌『別冊野球太郎2014球春号?プロ野球呪いのハンドブック』(発行・イマジニア株式会社ナックルボールスタジアム/発売・廣済堂出版)では、「2年目のジンクス」に挑む昨年のルーキーたちはもちろん、「実質2年目」の選手にもスポットを当てている。特に、佐藤達也(オリックス)や岡田俊哉(中日)など、チームへの貢献度ほど騒がれない「実質2年目の中継ぎ投手」の存在に注目したいところ。今季の野球観戦にご活用いただければ幸いだ。(『週刊野球太郎』編集部)
※文中の所属球団はすべて当時。

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