松坂、ダルとマーに違い 新入札制度で立場強化の選ぶ側

[ 2013年12月28日 11:05 ]

日本プロスポーツ大賞を受賞しスピーチする楽天・田中
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 旧ポスティング・システムを利用した松坂とダルビッシュはいずれも30日目の最終日に電撃合意しているが、田中の場合はどうか。新制度は、代理人と球団の交渉能力がより問われる。

 旧制度では交渉相手は落札球団のみ。競合球団がないため、代理人も球団もギリギリまで強気の姿勢を貫く。最終的には双方が譲歩。お互いの提示金額の中間あたりで着地するのが、お約束だった。しかし、複数の球団が交渉できる新制度では、「選ぶ側」の代理人の方が立場は強くなる。

 球団にとっては、最初からある程度、現実的な金額を提示しないと、田中側に「獲得の熱意がない」と見られてしまう。交渉戦術としては、他球団の条件が出そろうのを見てから「後出し」で参戦することも可能。しかし、その前に田中が球団を決めてしまっては元も子もない。必要以上の駆け引きは得策ではない。

 一方、田中の代理人ケーシー・クロース氏はこれまで日本選手を担当したことがない。時間をかけ、高年俸を引き出す一般的な手法は、必ずしも日本選手に有益とは言えない。生活環境やトレーナーなどスタッフの受け入れ態勢も成功するカギとなる。また、田中の場合、2月中旬のキャンプまで時間もない。準備のことを考えると、早期決着が望ましい。何を重視するのか、田中と綿密に意思疎通を図る必要がある。

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