アキレス腱断裂、戦力外…菊地原“不屈魂”3軍コーチで伝授

[ 2013年12月16日 05:30 ]

10月2日の阪神戦で現役最後の登板を飾った菊地原。3軍投手コーチで再出発だ

 その光景を、広島の菊地原は鮮明に覚えている。左アキレス腱断裂に見舞われた11年9月13日ヤクルト戦(マツダ)。「投げた瞬間、脳に電流が走った。終わったと思った」。1―2の7回に救援し、川端への3球目だった。

 11年と言えば、オリックスから7年ぶりに古巣に復帰したシーズン。「恩返しをしたい」と意気込んだが、左ふくらはぎ肉離れで大きく出遅れ、1軍昇格は9月3日の中日戦(マツダ)だった。その試合で「気合が入り過ぎ、プレートを思い切り蹴った」ため患部に違和感を覚え、その10日後に大ケガを負った。

 愚直に走り抜いた21年間。最も輝いたのはオリックス移籍1年目の05年で、33ホールド、防御率1・38で最優秀中継ぎ投手を獲得した。「でも、カープでは故障が多く活躍していない。申し訳ないと思う」。誠実な人柄がにじみ出る。

 11年10月13日には戦力外通告を受け、育成選手として契約。しかし、どん底からもはい上がり、12年5月18日に再び支配下選手登録された。来季からは3軍投手コーチ。「技術はもちろん、我慢強く練習することの大切さを教えたい」。恩返しはこれからだ。

 ◆菊地原 毅投手(きくちはら・つよし)38歳、21年目。相武台―広島―オリックス。92年ドラフト2位。最高年俸5200万円(10年)

 ▼通算成績 474試合、15勝26敗3セーブ、防御率4・51。

 ▼思い出 現役最終登板となった10月2日、阪神戦(マツダ)で(かつての同僚)新井と対戦したこと。胴上げされたこともうれしかった。

 ▼再出発 広島3軍投手コーチ。

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2013年12月16日のニュース