病気、内定取り消し…阪神・岩田 子供たちにつらい過去告白

[ 2013年12月16日 08:18 ]

クリスマス会で、子どもたちとふれ合う岩田(左から3人目)

 栄冠のため、応援してくれる子どもたちのため、14年初陣のマウンドはオレが上がる。阪神・岩田稔投手(30)が15日、福井県鯖江市で行われた福井県小児糖尿病家族会・ひまわりの会主催「北陸地区合同クリスマス会」に参加。来年2月10日前後に沖縄で予定されている初実戦の先発登板へ意欲を見せた。

 2勝5敗と背信のシーズンを送った左腕は「今年は本当に何もしていない」。先発当確は能見、メッセンジャー、藤浪のみ。空いている3枠へ入り込むべく、急ピッチで調整を進めていく。

 「(初戦?)そういうつもりで。準備だけはしっかりしてキャンプに臨みます。(急ピッチでないと)間に合わない。今もガッツリ休んでいるわけではないので、どんどん強めのキャッチボールもやっていきます」

 久保がFAでDeNAに移籍。スタンリッジは退団となった。ぽっかり空いた先発のイス。白仁田、秋山、歳内、岩本、榎田…。候補は挙げればキリがないが、最右翼となっているのは岩田だろう。今季も開幕ローテーション入りを果たし、2戦目のヤクルト戦(神宮)を任されている。首脳陣が「復活してもらわないと困る」と口をそろえるだけあって、本人もその自覚は十分。06年のプロ入り以来、1軍での実績を築いてからは最低のシーズンとなった悔しさが消えることはない。

 「子どもたちに対しても格好悪いですからね。結果を残さないといけない」

 クリスマス会では、自身が1型糖尿病を発症した大阪桐蔭1年冬当時の話や、病気が理由で企業から内定を取り消された話など、事細かに打ち明けた。それらを真剣に聴き、力に変えようとする子どもたちのまなざしに心を打たれた。

 「いい顔していましたよね。勇気を与えようと思っていたのに、逆に勇気をもらいましたね」

 今オフの自主トレも昨年同様、一人で徹底的にいじめ抜く。違うのは、来季へ懸ける思いの強さ。猛虎9年ぶりの優勝は、背番号21の復活なくしては成し得ない。

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2013年12月16日のニュース