掛布DC絶賛「青木より打ち方きれい」 緒方が紅白戦で右越え弾

[ 2013年11月19日 09:20 ]

紅白戦の3回、緒方は右越え本塁打を放つ

 高知・安芸での秋季キャンプに参加している1年目の阪神・緒方凌介外野手(23)が18日、紅白戦で紅組の「1番・中堅」で出場し右越えにソロ本塁打を放った。掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(58=DC)からも「青木より打ち方がきれい」と現役メジャーリーガーをしのぐ打撃技術を絶賛されるなど、今秋最大の注目株がまた評価を上げた。

 高く、美しい放物線だった。このキャンプで「低く強い打球を打つこと」を徹底的に練習してきた男がラスト実戦で見せた、ひと味違った魅力。内角直球に対してクルリと体が回転し、バットが巻き付くようなコンパクトな打ち方になった。打球は切れず、そのまま右翼後方にあるネットを直撃するアーチとなった。

 「まぐれです。どう打ったかも覚えてない。僕は(打ちに行く際に)左肩が(投手側へ)先に出て、バットが外回りするときがある。内側からバットを出す、ということを意識しました」

 掛布DCからも「いいパンチ力をしている」と称賛された一撃。ただ、今秋キャンプで結果よりも内容を求めている「先生」は、緒方に確かな成長の跡を見ていた。「本塁打よりも満足しているんじゃない」と振り返ったのが続く第3打席だった。横手投げ左腕・藤原に対し初球の外角低め直球を強振した打球は、強烈なライナー三直。「本塁打の次は体が開きがちになる。逆方向に強く打てて良かった」と本人が振り返る通り、意味のある「凡打」だった。

 昨秋ドラフトでは球団ラストの6位指名で入団。ルーキーイヤーの今季は大学4年時に手術した右膝の影響もあって1軍では2試合に途中出場したのみで1打数無安打に終わっていた。それが、多数の好打者を見てきた掛布DCに「青木みたいな感じだね。でも青木より打ち方がきれい」とブルワーズで活躍する現役メジャーリーガーの名前を出し、それを上回る、とまで言わしめた。

 一発長打を秘める俊足巧打の核弾頭。加えて「左打ち」というのは大きな武器となるはず。緒方も青木を理想像として掲げている。

 「1番を任されるような選手にこだわっていきたい。青木さんのように、高い打率を残せて、しっかり振った中で本塁打になる。ああいう成績を残せるようになりたい」

 安打は本塁打だけだったが4打席すべてで初球を振った。積極果敢なスタイルも、今の若虎には足りない部分だけに、掛布DCもさらなる起爆剤になることを望む。

 「隼太にも刺激になる。俊介、柴田、大和…。いいライバルがいる。タイプ的には(俊足巧打と)みんな似ているけど、緒方が一番パンチ力があるんじゃない」

 他にはない「武器」をあらためてアピールした背番号65。「ミスタータイガース」に認められた男が、来春、猛虎の主役となる可能性が出てきた。

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2013年11月19日のニュース