小久保ジャパン 今度は敵地キューバ戦を熱望!

[ 2013年11月12日 06:00 ]

報道陣の取材に応える小久保監督

 初陣を3連勝で飾った侍ジャパンの小久保裕紀監督(42)は11日、台湾遠征から帰国。今後の強化試合に敵地でのキューバ戦を熱望した。今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で喫した2敗は1次ラウンド第3戦のキューバ戦、準決勝のプエルトリコ戦とともに中南米が相手だった。自身もバルセロナ五輪前の92年にキューバへ遠征し、衝撃を受けたという。メンタル面の強化のためにも敵地での国際試合開催をNPBに要望する考えだ。

 快勝の余韻に浸ることなく、早くも次なる構想を披露した。3連勝から一夜明けたこの日。台北市内の宿舎で会見した小久保監督の視線は、新たな強敵に向いていた。

 「(対戦したいのは)中南米。僕自身、キューバの野球を一発目に見た時、衝撃を受けた。まだ、対戦したことのない選手はいい経験。今後の野球人生にもつながる」

 青学大の4番だった92年のバルセロナ五輪では、学生で唯一、日本代表入りした。大会前にはキューバのハバナへ遠征。当時の主力だったキンデランやリナレスらのスピードとパワーに驚かされた。さらに現地での経験により適応力も身に付いたという。「あの頃のキューバはホテルのお湯が使えなかったからね。アンダーシャツ、ソックスは自分で洗った。俺は(敵地の)国際大会の経験がある。少しのことで文句も言わなくなった」。選手を成長させるために、環境面で恵まれている国内での強化試合だけでなく、敵地での経験を積ませたいと考える。

 「近いうちには今回、良かった点と悪かった点を整理する」。3月のWBCで敗れたのはキューバ、プエルトリコの中南米勢。特にこれまでの日本代表のキューバとの対戦成績は、28勝73敗5分けと分が悪い。近日中にはNPB側と今回の総括を行う予定だが、その場でキューバでの強化試合の必要性を訴えることになりそうだ。

 「これからは評論家として選手を把握する作業。当然、今回のメンバーは追いかけていく」と新たな代表候補の発掘とともに、今回の選手も継続して見続けていく意向。幸先のいいスタートを切った新指揮官は、すでに4年後の絵を描いていた。

 ▽キューバの野球事情 国内リーグ、セリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル(SNB)はキューバ革命でプロリーグ解散後の1961年に創設。毎年11月から翌年4月まで16球団で行われ、プレーオフで優勝を争う。選手は国家公務員として給料を得る。また02年からスペル・リガ(スーパーリーグ)を創設。毎年5~7月に、SNBで活躍した選手が集まり、5球団でリーグ戦を戦う。ここで国家代表が選出される。「赤い稲妻」の異名をとるキューバ代表は、国際野球連盟(IBAF)ランク1位。五輪5大会で金メダル3、銀メダル2。ワールドカップ(W杯)36大会中25度の優勝を誇る。

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2013年11月12日のニュース