最多安打でフィーバー経験のマートン バレに同情「簡単なことじゃない」

[ 2013年9月14日 06:00 ]

<ヤ・神>2回無死、マートンは左越えソロを放つ

セ・リーグ 阪神3-2ヤクルト

(9月13日 神宮)
 阪神・マートンが先制のソロアーチで勝利への流れを呼んだ。歴史的偉業に挑むバレンティンを尻目に、虎の助っ人がお株を奪うきれいな放物線を神宮の杜に描いた。

 「高めのボールに、うまく反応することができたよ。打てるボールをしっかり叩けてよかった。チームがいい形で勝ててよかったよ」

 1回裏の攻撃がバレンティンの中飛で終わった直後。先頭で回ってきた2回の第1打席だった。カウント1ストライクから2球目を空振りしたバットは、手から滑ってカメラマン席に…。その後、ボールを2球見送って、集中力を高め直した5球目だった。高めの直球を、ライナーで左翼スタンドに運んだ。7日の巨人戦以来、5試合ぶりとなる16号。球場がどよめいた。引き分けを挟んで4連敗中だったチーム。嫌な流れを断ち切った。

 敵といえども、助っ人の気持ちは理解できる。自身も、来日1年目の10年にはイチローの持つ210安打を抜き、シーズン214安打のプロ野球新記録を樹立した。カウントダウンが始まると、フィーバーはさらにヒートアップ。重圧をはねのけた中での達成だった。だからこそ、ツバメの大砲に「簡単なことじゃない。この先、どうなるかわからないけど、この先も楽しんでプレーしてほしいね」とメッセージ。ファンに夢を与え、チームを勝利に導くひと振りを、マートン自身も求め続けている。

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2013年9月14日のニュース