リベラ 44Sも記録員“異議”→6勝「僕はそれでもいいよ」

[ 2013年9月14日 06:00 ]

<オリオールズ・ヤンキース>スチュアート(右)と握手する今季6勝目のリベラ

ア・リーグ ヤンキース6―5オリオールズ

(9月12日 ボルティモア)
 今季限りで引退するヤンキースのリベラが12日(日本時間13日)、オリオールズ戦で摩訶(まか)不思議な今季6勝目を挙げた。1点リードの9回、今季4度目の3連投に臨み、気迫のこもった10球で3者凡退に打ち取った。

 これで通算652セーブ、リーグ単独トップの今季44セーブ目が付くはずだった。ところが、公式記録でリベラが勝利投手となった。公認野球規則10・17(c)に即したもので、3点リードの8回に登板したロバートソンが、同点3ランを浴びるなど乱調。9回にヤ軍が勝ち越したものの、公式記録員が「投球が効果的ではない」と判断し、リベラに白星を付けた。

 43歳の守護神は「(同点にされ)きつい状況だったが、野手が何とか得点してくれた。それこそ今の我々に必要なこと」と振り返り、勝利投手になったことには「僕はそれでもいいよ」と笑った。チームは3連勝で、ワイルドカード争いで1ゲーム差の3位をキープ。リベラは7日、首脳陣に「気を使わないでほしい。俺は今年で辞める。壊れるまで投げる」と直訴。そこから2イニング登板と3連投をこなしたリベラは「あすも投げる」と宣言。

 引退の花道はワールドシリーズと決めている。 

 ▽公認野球規則10・17(c) 「救援投手が少しの間投げただけで、しかもその投球が効果的でなかったときに、続いて登板した救援投手の中にリードを保つのに十分に効果的な投球をした投手がいた場合は、前者に勝の記録を与えないで、続いて登板した救援投手の中で最も効果的な投球をしたと記録員が判断した投手に勝を与える」。

 今回は公式記録員が8回に3失点で同点とされたロバートソンを「効果的でない」と判断し、9回を3者凡退に抑えたリベラに勝ちを付けた。日本では74年8月18日に日本ハムの高橋直樹が近鉄戦で三塁守備を挟んで先発と救援をこなし、勝利とセーブをマークした珍例がある。ただ、現在はセーブと勝利の同時記録は適用されない。

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2013年9月14日のニュース