トレード候補の青木 今季初V打「やることは変わらない」

[ 2013年7月5日 06:00 ]

<ナショナルズ・ブルワーズ>チームメートとタッチを交わすブルワーズ・青木(7)

ナ・リーグ ブルワーズ4―1ナショナルズ

(7月3日 ワシントン)
 ブルワーズの青木宣親外野手(31)が3日(日本時間4日)、ナショナルズ戦で11試合ぶりとなる3安打をマークした。5回には今季初の決勝打となる先制の中前2点適時打。米メディアからトレード移籍の可能性を報じられる中でチームの2連勝に貢献した。目標のシーズン200安打へ、7月は3試合連続安打と「安打製造機」のエンジンが温まってきた。

 狙いは直球一本だった。0―0の5回1死二、三塁、1ボール1ストライクから左腕デトワイラーの94マイル(約151キロ)の速球を中前にはじき返した。先頭打者弾を放った昨年9月19日のパイレーツ戦以来の決勝打。先制2点適時打に青木は照れながら自賛した。

 「いいところでのヒットがあったので、チームに貢献している感じが少しあった。(先制打は)真っすぐの一点張りで待っていた。強く振ることだけを考えていた」

 配球の傾向をつかめば、怖いものはない。初回は2球目を遊ゴロ、3回は3球目を左前打。5回も3球目まで全8球が直球だった。「あれだけ真っすぐの投手。差し込まれないように集中していた」と迷いはなかった。一方で3番手アバドと対戦した9回は、変化球に対応して一塁内野安打。疲労などもあった6月は打率・258と低迷したが、7月は3試合連続安打と状態は上向きだ。

 チームは2連勝だが、首位パイレーツとは18ゲーム差の地区最下位。大リーグは7月31日(日本時間8月1日)がトレード期限で、プレーオフ進出を狙って上位球団が下位球団の有力選手獲得を狙う。青木は来オフにFAとなる。さらに打率・290などの活躍に比べ、年俸125万ドル(約1億2500万円)と割安で、他球団から熱視線を浴びる。1日には米メディアからトレード候補に挙げられていた。

 それでも青木は「こっちではよくあること。やることは変わらない」と意に介さない。ヤクルト時代にも最下位に沈んだ07年に首位打者。「どこかに目標を持ちながら、常にプレーすることが大事」という自負もある。個人目標はシーズン200安打。残り79試合で109安打を目指す背番号7の注目は気温の上昇とともに高まってきた。

 ≪トレードのメリットは?≫大リーグでは31日がトレード期限。毎年のように優勝を狙える上位チームが、弱点を補うために下位チームとの交換トレードで補強を行う。トレード候補は、その年のオフにFAとなる中堅からベテラン選手が多い。下位チームは代わりに若手有望株を獲得し、翌年以降のチーム強化を行うことで、双方にメリットがある。11年にはブルペン強化を画策したレンジャーズが、オリオールズから上原(現レッドソックス)を獲得し、オ軍に移籍したのが今季両リーグトップの32本塁打を放っているデービスだった。

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