涌井 抑え経験して成長 与四死球&被本塁打が減少

[ 2013年4月16日 11:51 ]

抑えから先発に再転向した涌井

 先発に再転向した西武・涌井秀章投手(26)が好調だ。昨季初めて抑えを務め30セーブ。今季は先発に戻り2試合で2勝0敗、11日ロッテ戦では2年ぶりの完投勝利を挙げた。過去5年間務めた開幕投手を明け渡した右腕が、エース復権を目指している。

 過去に先発→抑え→先発と転向して活躍した投手には斉藤明夫(大洋)、大野豊、佐々岡真司(広島)らがいる。だが抑えの大台といえるシーズン30セーブ以上を挙げた翌年に先発に再転向したのは、07年32セーブの巨人・上原しかいない。上原は翌08年の開幕から4連敗を喫し、2軍降格を経てリリーフへの逆戻りも経験。同年6勝(先発4勝)を挙げたものの、転向前と同様の活躍までとはいかなかった。涌井は上原が苦しんだ壁を乗り越えられるか。

 昨季の涌井は防御率3・71だが、リリーフ時に限れば2・57だった。昨季リリーフ時の奪三振率は5・51と、抑えとしては決して高くない。被打率も・258と、それまでの自身の通算よりも高かった。それでも抑えとして成功した要因に、与四死球と被本塁打の減少がある。僅差の終盤に登板する抑え投手にとって、不用意な一発と無駄な与四死球は命取りになる。四死球率はそれまでの3・03から2・76に減少。被本塁打は昨季先発時の1本だけで、救援では打者205人と対戦し1本も打たれていない。

 今季はまだ2試合ながら与四死球は0、被本塁打は1。緊迫した場面での経験が、好結果につながっているといえる。09年に沢村賞を獲得した右腕が抑えの経験をプラスし、どれだけ投球術の幅を広げるか楽しみだ。

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2013年4月16日のニュース