村田 内海から特大120メートル弾 ガチ対決で長打力復活証明

[ 2013年2月6日 06:00 ]

フリー打撃に登板した内海から村田が左越えに特大ホームラン

 巨人の宮崎キャンプで侍戦士の豪華対決が5日、実現した。村田修一内野手(32)と阿部慎之助捕手(33)が、フリー打撃に初登板した内海哲也投手(30)と対戦。オール直球のガチンコ勝負は、左翼席中段へ120メートルの特大弾を放った村田に軍配が上がった。3選手とも異例のハイスピード調整を見せており、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)3連覇への足取りは力強さを増してきた。

 異例の光景だ。村田が豪快に放った放物線は、左翼席中段で大きく弾んだ。120メートルの特大弾。内海は思わず脱帽し、グラブを激しくマウンドに叩きつけ、悔しがった。主力2人が第1クールからフリー打撃で対戦するのも異例なら、村田のフルスイングも例年なら見られないものだ。

 「1本出ましたね。ボールも飛んでいますし、いい状態です。早い段階で投手の球を打てて良かったです」。20スイングで安打性の当たりが6本。左翼席中段まで運んだ一撃だけでなく、中堅フェンス直撃の鋭い打球も放った。「横浜時代は(内海に)結構やられていたイメージでした。同じチームで対戦しなくなって良かったです」。過去の対戦成績は63打数17安打、打率・270。5本塁打を放っており、相性は決して悪くないが、そんな言葉が出るのも好調だからこそだった。

 WBCも見据えたハイペース調整が、長打力復活をテーマにする村田を変えた。オフから08年に46発で本塁打王に輝いたバットを上段に構えるフォームに取り組んできた。上からボールに回転を与えて遠くに飛ばすことが狙いだ。「(いい角度で)打球を上げることを意識している。ここ数年、この時期にこんなに強く振ったことはない」。その成果が早速表れた。

 30代を迎え、筋力維持のために始めたウエートトレーニングでは、筋肉がつきやすい体質のためTシャツがすぐにきつくなった。1月26日、体重97キロで宮崎入りしたが、既にベストの95キロ。「体に切れもあるしパワーも出せる」。昨季よりも3キロ増えた肉体は進化の証明だった。

 「(村田は)今年は飛距離が出ている。角度がいいですね。移籍1年目だった昨年の経験値が大きい」。昨季は12本塁打に終わったが、原監督は村田のパワー復活を感じ取っている。柵越えを許した内海も「横浜時代の村田さんとの対戦を思い出していた。外を狙った球が中に入った。甘く入るとああなると実感した」と笑った。

 侍同士のガチンコ勝負とあって、内海は力んでシュート回転する球も続いたが、「第1クールから打撃投手ができるとは思っていなかったし収穫だった。早く課題が見つかれば、その分早く修正できる」と前向きだ。侍ジャパンでの生き残り、その先には3連覇という大目標がある。まだ2月初旬だが、侍たちの動きは一気に熱を帯びてきた。

 ▼侍ジャパン・山本監督(巨人の宮崎キャンプは9、11日の紅白戦を視察予定)会うのが楽しみ。村田の頑張りはチームにいい影響を与える。(同じ長距離砲の日本ハム)中田も刺激になるのでは…。

 ▽第2回WBCの村田VTR 09年3月19日(日本時間20日)、韓国との2次ラウンド1位決定戦で4回に中前打を放って一塁に向かう際、右大腿部裏側を痛めて退場。それまで全7試合に出場し打率.320、2本塁打、7打点と活躍も、肉離れと診断されて帰国した。その後、日本は2連覇を達成。決勝では内川が優勝トロフィーに村田のユニホームをかけ、帰国会見では原監督が村田の首にメダルをかけた。

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