沢村 珍し絶叫「やったぜぇー!」「あしたも勝つ!」

[ 2012年10月21日 06:00 ]

<巨・中>お立ち台で「明日も勝つ!」と叫ぶ沢村

CSファイナルS第4戦 巨人3-1中日

(10月21日 東京D)
 いつもの巨人・沢村ではなかった。お立ち台に上がった背番号15の第一声は「やったぜぇー!」。東京ドームに絶叫が響き渡る。そして「最後にひと言」とマイクを向けられると、再び「あしたも勝つ!」と腹の底から声を張り上げた。興奮は試合後も収まらなかった。

 マウンドでも気迫あふれる投球を見せた。2―0の6回2死満塁、代打・山崎に対し、2ボール2ストライクからの6球目。この1球に力を込めた。146キロの直球が内角高めに突き刺さる。バットが空を切ると、右拳を握り締めた。

 「きょう、あしたで(技術の)何かが劇的に変わるわけはない。どちらが日本シリーズに行きたいと強く思うか。その気持ちだけでした」

 4回にも2死満塁のピンチを招いた。谷繁に対し、3球連続の直球勝負を挑み、右飛に仕留めた。元日本テレビアナウンサーの麻季夫人がスタンドで見つめる中、6回を投げて7安打を浴びながらも、本塁は踏ませなかった。2度の満塁を切り抜けた右腕に対し、原監督も「相手の勢いを抑えたというところは大きい」と褒め上げた。

 新人から2年連続の2桁勝利を達成したが、9月には不振でプロ初の2軍落ちを経験するなどシーズン終盤に調子を落とした。4日の全体練習では指揮官からマンツーマン指導を受け、上体が流れ、沈む癖を指摘された。「恩返しができれば」と決意をにじませた。一時はポストシーズン限定での守護神起用も検討されていたが、杉内の左肩違和感が長引いたことで、第4戦に先発の機会が巡ってきた。土壇場ではい上がった右腕が、チームの窮地を救った。

 お立ち台の絶叫は、ファンの心にも響いたに違いない。ここでは負けられない。そんな気迫に満ちた沢村の108球だった。

 ≪巨人初のCS先発、無失点勝利≫沢村(巨)が6回を無失点でCS初勝利。巨人の投手でCS先発勝利は上原、オビスポ、東野、内海、沢村と5人目だが、無失点は沢村が初めてだ。この日は4、6回と2度満塁の場面をしのいだ。今季レギュラーシーズンで沢村は満塁機に17打数1安打(被打率・059)。CSでもピンチに動じない投球を見せた。

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