大谷決断メジャー挑戦!ドジャース最有力

[ 2012年10月21日 08:00 ]

メジャー挑戦を決断した花巻東・大谷
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 花巻東(岩手)の160キロ右腕・大谷翔平投手(3年)が、メジャー挑戦を決断したことが20日、分かった。国内球団との選択に揺れたが、最後は自らの意思を貫く覚悟を決めた。大谷には少なくともメジャー3球団が獲得に興味を示しているが、1年時から密着マークを続けてきたドジャース入りが最有力。21日に家族を交えた話し合いで最終決断を下し、正式にメジャー挑戦を表明する。

 大谷が海を渡る決断を下した。9月19日にプロ志望届を提出してから約1カ月。国内球団のほか、ドジャース、レンジャーズ、レッドソックスのメジャー3球団とも面談を行い、進路について熟考を重ねてきたが、最高峰の舞台に挑戦したい気持ちは最後まで揺らぐことはなかった。

 大谷は8月30日から韓国で行われた18U世界選手権に高校日本代表の一員として参加。海外の同年代の選手と対戦し、より高いレベルで戦いたいとの思いが強まった。今月11日にメジャー球団との面談を終えた際にも「メジャーは長いプランで上に上げずに、下のマイナー(での時間を)を大事にする。そこは自分も監督さんも賛成する部分。自分自身もやってみたい気持ちは凄くあります」と心境を吐露した。

 決断に時間がかかったのは、異国での生活、言葉の壁、食事面など環境の違い。両親はメジャー挑戦には慎重な姿勢を示していた。11日以降も花巻東の佐々木洋監督、両親を交え、何度も長時間にわたる話し合いが行われたが、結論は出なかった。しかし、「最後は自分で決める」と話していた大谷は険しい道を覚悟の上で、自分の意思を貫くことを決めたようだ。

 ドラフト会議を25日に控えており、国内球団への配慮も考え、21日に進路について最後の家族会議を行う。両親も最終的には息子の決断を尊重するとみられる。夕方に同校で会見を行い、メジャー挑戦を表明することになる。

 仮に国内球団からドラフト指名された場合、来年3月31日まで指名球団が交渉権を持つ。このためメジャー球団との交渉は4月1日以降となる見通しだが、1年時から密着マークを続けてきたドジャース入りが最有力だ。小島圭市極東担当スカウトは大谷のほぼ全ての登板試合を視察。9月20日にはスカウト部門トップのローガン・ホワイトGM補佐が花巻東を訪問し「能力はアメリカでもトップランク」と、昨年サイ・ヤング賞を獲得したド軍の左腕カーショーを引き合いに出し、熱意を伝えていた。マイナー契約でも専属通訳を2年間つけることを約束するなど、生活面のサポートも整えている。

 ドラフト1位候補に挙げられる高校生が日本の球団を経ずにメジャー挑戦となれば初めて。大谷は「誰もやったことがないことを成し遂げる」をモットーとし、高校入学時からメジャー挑戦の夢を抱いてきた。夢の実現へ向け、18歳が大きな一歩を歩み出す。

 ◇大谷 翔平(おおたに・しょうへい)1994年(平6)7月5日、岩手県生まれの18歳。姉体小2年時から水沢リトルで野球を始め、水沢南中では一関シニアに所属。花巻東では1年春からベンチ入り。2年夏、3年春に甲子園出場。3年夏の岩手大会準決勝の一関学院戦では高校生史上初の160キロをマークした。憧れの投手はダルビッシュ(レンジャーズ)。遠投115メートル、50メートルは6秒3。1メートル93、86キロ。右投げ左打ち。

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