原巨人 2年ぶり虎3連破!鉄腕・山口が引導渡す

[ 2012年7月9日 06:00 ]

<巨・神>8回、力投する山口

セ・リーグ 巨人3-2阪神

(7月8日 東京D)
 猛虎に引導を渡した!首位・巨人は8日、阪神に競り勝ち、4連勝。10年8月20~22日(東京ドーム)以来、2年ぶりとなる伝統の一戦での同一カード3連勝を達成し、阪神の自力優勝の可能性を消滅させた。防御率0点台を誇る無敵のセットアッパー・山口鉄也投手(28)は8回に救援し、圧巻の3者三振。4連投で両リーグトップの26ホールド目をマークし、早くも昨季の記録を上回った。山口がいる限り、原巨人の必勝パターンは盤石だ。
【試合結果】

 これぞ鉄腕だ。2点リードの8回。原監督は7回まで83球の先発ホールトンに代えて、この日も山口の名前を告げた。いつものように涼しい顔でマウンドに上がった背番号47は圧巻の3者連続空振り三振に斬った。

 「いい感じで投げられました。(ブルペンに)電話がかかってくれば行くだけなので」。

 先頭の今成をチェンジアップで。代打・関本には9球粘られたが、外角低めのシュートで料理。最後はマートンをシンカー気味に沈むチェンジアップで空を切らせた。

 2年ぶりとなる阪神戦の同一カード3連勝。3試合全てで登板し、2回2/3を無安打6奪三振に封じ込めた山口の貢献度は計り知れない。防御率は驚異の0・21。失点は6月5日ソフトバンク戦(ヤフードーム)で明石に許した本塁打による1点だけで、セの球団相手では29イニング無失点と無敵だ。

 鉄よりも堅固な安定感をもたらすのは、進化を遂げたシュートだ。これまでも投げていたが「もう一度、シュートをしっかり投げられるようにしたい」と軸となる球種を磨いた。左打者の胸元をえぐるだけでなく、右打者には手元で逃げる球種となり、芯を外すか空振り。そこに食い込むスライダーと、シュートより大きく外に沈むチェンジアップが加わる。

 ここ2年間は左打者は抑えても右には痛打されることが多かった。特に10年は対左の被打率・188に対し、右は・286。それが今季は対左・130に対して、右が・114と下回る。左右関係なく投入できる「ジョーカー」として両リーグ最多の39試合に登板。元祖鉄腕・稲尾和久(西鉄)らを上回るプロ野球新記録の5年連続60試合登板にも手が届きそうだ。

 8回。山口を待つマウンドではこんな会話があった。「きょうも使うんですか、壊れますよ」。三塁の村田の言葉に川口投手総合コーチは「怒られたよ」と頭をかいた。「外様の僕が言うことじゃないですけど。大切にしてくださいということ」と村田。そんな仲間の声にも山口は「無失点に越したことはないので頑張ります」と力強い。

 猛虎の自力優勝の可能性を消滅させ、10日からは前半戦最後となる9連戦。貯金を17とした原監督も「これでいい形で9連戦に入れると思う。後ろの方はよくやってくれています」と、山口を軸とする救援陣には全幅の信頼を置く。鉄なり(也)という名が示す通り、鉄腕は絶えずその腕を振ることしか頭にはない。

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