福岡工大城東・笠原 6回参考パーフェクト!兄は巨人右腕

[ 2012年7月9日 06:00 ]

<福岡工大城東・新宮>6回無安打12奪三振と新宮打線をパーフェクトに抑えた福岡工大城東・笠原

福岡大会2回戦 福岡工大城東10―0新宮

(7月8日 桧原公園)
 第94回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間、甲子園)の地方大会は22大会で219試合が行われた。福岡大会では今秋のドラフト候補で、巨人・笠原将生投手(21)の弟・大芽投手(3年)が、新宮相手に6回参考記録ながら完全試合を達成。最速145キロ左腕は6球団15人のスカウトが視察する中、打者18人から12三振を奪う快投をみせた。9日は15大会で129試合が行われる。
【7月8日の試合結果】

 笠原は、涼しい顔で整列に加わった。父も、兄も届かなかった甲子園へ。6回参考記録ながら、今夏の全国一番乗りとなる完全試合で、その一歩を踏み出した。

 「初めは緊張しましたが、3人で抑えられて落ち着いて自分の投球ができました」

 初回は3者連続三振。2回以降も高めに伸びる直球とスライダーのコンビネーションで三振の山を築いた。最速141キロ。自己最速の145キロには届かなかったが、切れと制球力は抜群。常にストライク先行で3ボールは一度もなかった。球数は63球。外野に飛ばされることなく12三振を奪った。「(6回を終え)さすがに(完全試合を)狙ってみようと意識した」と大記録に色気を見せた直後、打線が爆発してコールドゲームとなった。

 今秋のドラフト上位候補の初戦。スタンドには巨人、中日、ヤクルト、DeNA、楽天、ソフトバンクの6球団15人のスカウトが集結した。ソフトバンクの永山勝スカウト部長は「肘と手首の柔らかさは一級品。楽しみ」と高評価を口にした。

 父・栄一さんは84年ロッテにドラフト1位で入団。ダイエーと合わせ12年間プレーし、巨人入りした兄・将生は今年4月に1軍デビューした野球一家だ。夏の連投でフォームを崩さないために連日、300回の腹筋、背筋で体幹を強化した。グラウンドでの練習を終え自宅に戻れば父から課せられる片足スクワットと「空気イス」と呼ばれる過酷な下半身強化メニューに励んできた。

 今センバツでは大谷(花巻東)、藤浪(大阪桐蔭)、浜田(愛工大名電)の3投手が「ビッグ3」と騒がれた。同学年の投手に対し笠原は「最後の夏なので肩が壊れるまで1人で投げ抜く気持ちです。そして甲子園で自分がビッグ3と呼ばれたい」とライバル心をあらわにした。父も兄も果たせなかった聖地への夢は笠原家の次男が実現する。

 ◆笠原 大芽(かさはら・たいが)1995年(平7)1月20日、福岡市生まれの17歳。香陵小3年で野球を始め、香椎二中では硬式の福岡ニュースターボーイズに所属して3年夏に九州大会優勝。福岡工大城東では1年夏からベンチ入り。2年春には背番号1を背負い、春の県大会優勝、九州大会4強。昨夏はベスト4入り。1メートル85、74キロ。左投げ右打ち。

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