ケーン完全試合達成 今季無安打無得点は早くも5人目

[ 2012年6月15日 06:00 ]

アストロズ戦で完全試合を達成し、チームメートから祝福されるジャイアンツのケーン(18)

ナ・リーグ ジャイアンツ10-0アストロズ

(6月13日 サンフランシスコ)
 ジャイアンツのマット・ケーン投手(27)はアストロズ戦で大リーグ史上22人目となる完全試合を達成した。

 27人目の打者を三ゴロに打ち取ると、普段はクールなケーンがマウンド上で喜びを爆発させた。創設130年目にしてジャイアンツ初の完全試合。それも本拠地サンフランシスコでの達成だ。

 「心の底から驚いている。一生涯、忘れない思い出になった」

 直球を最大の武器とする本格派右腕。この日も150キロ前後の速球で、自己最多の14三振を奪った。7回にはシェーファーに右中間にはじき返されたが、右翼手ブランコがダイビングキャッチ。好守にも助けられた。

 趣味はゴルフでハンデ7の腕前。この日の開門前にはプロゴルファーのダスティン・ジョンソンと、本塁付近にティーを立てドライバーの飛距離を競い合った。ケーンは右翼場外へ310ヤード(約283メートル)も飛ばし、マッコビー湾に水しぶきを上げさせた。その「剛腕」はクラブをボールに持ち替えても変わらなかった。

 今季、大リーグで無安打無得点試合達成は早くも5度目。近年の投高打低の流れを象徴しており、筋肉増強剤など禁止薬物の取り締まりが強まったことが大きな要因とささやかれている。

 ケーンは05年キャンプでは当時のフェリペ・アルー監督から、メジャー通算311勝右腕のトム・シーバーと比較された逸材。今年4月には大リーグ右腕で歴代最高となる6年1億2750万ドル(約100億7250万円)で契約延長している。

 「ジャイアンツの歴史の一部になれた」。試合後はチェルシー夫人と歓喜の抱擁を繰り返した。

 ◆マット・ケーン 1984年10月1日、アラバマ州生まれの27歳。テネシー州の高校を卒業後、02年ドラフト1巡目で(全体25番目)でジ軍に入団。05年にメジャーデビューし、自身3戦目となったカブス戦で完投勝利。20歳343日での達成は球団最年少記録。昨季まで6年連続30試合先発、5年連続200投球回を記録。世界一となった10年のポストシーズンでは21回1/3を自責0。1メートル91、104キロ。右投げ右打ち。今季年俸は1500万ドル(約11億8500万円)。

 ≪1シーズン2度完全試合は3度目≫今季大リーグで完全試合達成は2度目。同一シーズンでの複数回達成は史上3度目で2010年以来2年ぶりだが、1度目は近代野球とされる1900年より前の1880年と、120年近くも出ていない珍しい記録だった。また同一シーズンで6月までに5度の無安打無得点試合は、90年以来22年ぶり。この日のケーンの球数125での達成は歴代最多で、14奪三振は65年のコーファックス(ドジャース)と並んで最多タイ。

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2012年6月15日のニュース