清武氏関与の書籍復刻本 販売禁止の仮処分命じる

[ 2012年6月15日 21:43 ]

 プロ野球巨人の球団代表を解任された清武英利氏が取材に関わった書籍をめぐる仮処分で、東京地裁(東海林保裁判長)は15日、読売新聞東京本社の主張を認め、復刻本を出版した「七つ森書館」(東京)に販売禁止を命じる決定をした。復刻本は既に販売が始まっており、同書館は異議を申し立てる。

 決定は、書籍の著作権が読売新聞東京本社にあるとした上で、「出版契約をした当時の社会部次長は会社を代理する権限がなく、契約は無効」と判断、販売による著作権侵害を認めた。

 問題となった本は第一勧銀の利益供与事件などを取り上げた「会長はなぜ自殺したか」(1998年)。七つ森書館は昨年5月、読売側と出版の契約を結んだ。だが清武氏が11月、渡辺恒雄球団会長が巨人のコーチ人事に不当介入したと告発した後、読売が契約解除を申し入れた。

 七つ森書館は応じず、読売は出版契約の無効確認を求め東京地裁に提訴。5月の第1回口頭弁論直後、同書館が本の販売を公表したため、仮処分を申し立てていた。

 読売側は「妥当な決定。出版妨害には当たらないとの主張が認められたと受け止めている」とのコメントを出した。

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2012年6月15日のニュース