城島、小林宏は「不良債権」株主総会で補強策痛烈批判

[ 2012年6月15日 06:00 ]

鳴尾浜の球団施設でリハビリをする城島(右)

阪急阪神HD株主総会

 阪急阪神ホールディングス(HD)の株主総会が14日、大阪市内で開かれ、開幕前は巨人と並んで優勝候補に挙げられながら借金2の4位と低迷する傘下の阪神の補強策が批判を受けた。一部株主が、故障と不振で1軍に不在の城島健司捕手(36)、小林宏投手(34)を名指しして「不良債権」と指摘。これに対し、阪神・南信男球団社長(57)は謝罪した上で、今後のチームづくりの基本方針として生え抜きの若手を育成する重要性を強調した。

 低迷するチームに、12球団一熱い阪神ファンが黙っていられるはずもなかった。甲子園球場の年間指定席を持つという男性株主が、「不良債権」という刺激的な言葉を使って近年の補強策を痛烈に批判した。

 「岡田監督や平田監督の時(の2軍)は選手に覇気があって、若手も育った。いまは若手が育たない中で、外から呼んできた城島や小林(宏)が活躍していない。給料が高いだけで不良債権を抱えているようなもの。みんな、そう思っている。そうでしょ?」

 ほかの株主に賛同を求めると、会場内からは拍手も起きた。

 城島はマリナーズから移籍1年目こそ全144試合に出場して打率・303、28本塁打、91打点と主砲の働きをみせたが、昨季は右肘痛で出場は38試合。今季は一塁に転向して再スタートを図ったが、椎間板ヘルニアで5月11日に出場選手登録を外れ、その後に手術。すでにリハビリを開始しているが、今季中の復帰は微妙な状況。10年オフにロッテからFA移籍した小林宏にいたっては昨季はセットアッパーとして結果が出せず、今季は先発再転向で再起を懸けたが、開幕から2軍暮らしが続いている。

 今季の年俸は城島が4億円、小林宏が2億円。計6億円の2人が戦力とならず、さらに2人の加入で活躍の場を奪われた若手もいることに、ファンの不満が噴出した形だ。

 阪神電鉄本社で報道陣に対応した坂井信也オーナーは「選手育成は永遠のテーマ。(勝利との両立は)難しいけど、“難しいからできません”ではなく何とかやっていかないといけない」。05年を最後に遠ざかる優勝。巨人と球界の盟主を争ってきたチームだからこそ、勝利と育成の狭間で揺れている。

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