金子誠 こだわりの“内野手流”キャッチボール

[ 2012年2月22日 13:00 ]

キャッチボールにこだわる日本ハム・金子誠

 野球の基本はキャッチボール――。日本ハムのベテラン・金子誠内野手(36)は、そのキャッチボールを何よりも大事にしている。単に肩を温めるため、ではない。金子誠がこだわるのはその型。内野手ならではのキャッチボールだ。06~08年はリーグ遊撃手守備率No・1の職人も、昨季は故障にも泣かされた。19年目のベテランは基本の反復、そして経験という財産に支えられている。

 野球少年にも覚えてほしいやり方だ。金子誠は昨季までのプロ18年間で、二塁、三塁、遊撃で計153失策。そのうち送球エラーは63しかない。「投手じゃないし、振りかぶって遠くへ投げても意味がない。ショートなら一塁まで50メートルもない。試合中にふわっとしたボールは投げないでしょ」。職人のキャッチボールは距離が延びても山なりではない。低い軌道のまま相手に向かっていく。

 昨季から導入された統一球。微妙な変化で一塁手が捕球しにくくなった。回転のいい球を投げるための金子誠のチェックポイントは「顎と左肩、左肘の位置」。この3点を投げる方向へ一直線に向けることで「スコープ」の役割にする。右腕は小さいモーションで後ろに引く。リリースする前の姿は弓を引く型だ。

 「後はしっかり足を使って投げる。基本だけど練習で100%できなければ試合ではできない」。一球一球しっかりステップを踏んで投げる。母校・常総学院で名将・木内幸男監督からの教えは「バットを振る筋肉はバットを振って、投げる力は投げてつくれ」。捕って、投げる。一見して単純な動作は、キャッチボールでの徹底した反復練習で体に覚え込ませた。

 「僕は捕ることに自信がない。捕ったら確実にアウトにしたい」。さらに相手打者のデータ、味方投手の持ち球で一球ごとに守備位置を変更。若い頃に比べ守備範囲が狭くなった分、打球を予測してカバーする。「ファインプレーに見えないファインプレー」が金子誠のスタイルだ。

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2012年2月22日のニュース