155キロ捨てた!大石 切れで中島、中村ら10人斬り

[ 2012年2月9日 06:00 ]

きらめく陽光を浴びながら投球する西武・大石

 欲しいものは結果、そして球の切れ味だ。西武の2年目右腕・大石が初めてシート打撃に登板。主軸の中島、中村ら打者10人を相手にノーヒットに抑え、先発ローテーション入りを猛アピールした。

 「しっかりした直球を投げる。指にかかった直球の感覚が去年と全然違った。大学時代から球速よりも切れと思っていたけど、(プロに入って)その意識は強くなった」。先発ローテーションに入るため代名詞の剛速球は捨てる。早大時代に最速155キロを記録した直球は、キャンプ序盤とはいえ140キロ止まり。それでも、石川からは直球で空振り三振。右打者の外角で見逃しを奪う直球もあった。スピードよりも切れを追求した結果だ。捕手のサインに首を振って直球を投げる姿に手応えが感じ取れた。

 渡辺監督も球速へのこだわりは必要ないと説く。大石は切れで勝負できるタイプとし「150キロを投げることは切り捨てていいかもしれない」と語った。チームには涌井、岸ら150キロを超える直球がなくとも球界屈指の右投手がおり、球速以上に球を速く見せる方法を学ぶことができる。

 練習不足のセットポジションや変化球に不満が残り、初めてのシート打撃登板を「60点」と自己評価した。渡辺監督も「指にかかった球と、そうじゃない球の差がある」と課題を指摘する。

 この日は、くしくも早大の同級生2人がフリー打撃に登板した。「斎藤や福井が頑張っていると自分も、という気持ちになる」と大石。1年目の昨季は右肩痛もあって1軍登板なし。遅れを取り戻すため、今季は貪欲に結果を求める。

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2012年2月9日のニュース