3割打つ!打てる!今宮 巨人・谷お手本に「前さばき打法」

[ 2011年2月5日 12:12 ]

休日返上で、藤井コーチと練習する今宮(左)

 ソフトバンクの今宮健太内野手(19)が4日、休日返上で生目の杜運動公園を訪れ、フリー打撃など約1時間汗を流した。今季就任した藤井康雄打撃コーチ(48)に巨人・谷が得意とする「前さばき打法」を命じられた今宮は、マスターすれば3割は打てると宣言。高卒2年以内に規定打席に達して打率3割以上を記録したのは、65年のドラフト制以降では86年の清原(西武)しかいない。「ポスト川崎」が史上2人目の快挙に挑む。

 藤井打撃コーチのひと言が今宮に道を示した。「おまえはそういうタイプなんじゃないか」。オリックス時代にはT―岡田へノーステップ打法を授け本塁打王に導いた。選手に合った型を与えてくれる。藤井コーチが今宮に与えたお手本は巨人・谷だった。

 藤井コーチが投げる球を室内練習場で約1時間、振り抜いた。今宮と同じ右構えである谷の打撃は、左足が軸足になる。打撃ポイントが前になり、変化球が大きく曲がる、あるいは落ちる前にさばくことが可能になる。踏み込んだ足に体重が乗ることで、球に力負けもしない。一方で投手のリリースポイントに近いことで、球を見る時間も減り、より高い反射能力が要求される。

 今宮にはそれに適応する能力があると藤井コーチは判断したのだ。1メートル73と決して大きくない谷が、1818本の安打を重ねた打法。習得は難しいが「体の全体を使うのではなく、下半身の使い方が主ですね。自分のものにしていきたい」と今宮はその気だ。宿舎の自室でもインターネットのユーチューブにある谷の映像を繰り返し流して研究しているという。

 さらに外角に対しては逆に「引きつけて打つ」という打撃に同時に取り組む。「外角のボールを前さばきで打とうとすれば、内野ゴロになる確率が高くなる。外は引きつけて打つ。別のことをしているようだけど、その2つができれば3割は楽に打てる」。

 65年のドラフト制度施行後、高卒2年目以内で規定打席に達し、打率3割以上を記録したのは1年目の86年に・304を打った清原(西武)だけ。遊撃には、選手会長・川崎という大きな壁がそびえるが「プロに入ったからにはやるしかない」と乗り越える努力を止めない。

 別府市内で行った自主トレは2日に1度、標高810メートルの大平山に走って登った。鍛え抜いたその足腰は、不可能を可能にしてくれるはずだ。

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2011年2月5日のニュース