第2の岩隈出すな!選手会 入札制度改革要求へ

[ 2010年12月3日 06:00 ]

選手会総会を終えて報道陣の質問に答える(右から)中日・井端、選手会長の阪神・新井、阪神・藤川

 労組・日本プロ野球選手会(会長=阪神・新井貴浩内野手)は2日、大阪市内のホテルで定期大会を開き、ポスティング・システム(入札制度)の制度改革を日本プロ野球組織(NPB)に求めていくことで意見が一致した。

 楽天・岩隈久志投手(29)が同制度で独占交渉権を得たアスレチックスと交渉難航していることを受け、制度の不備を指摘する声が噴出。1球団にしか認めない独占交渉権を複数球団に認めるなど改革案が出た。

 会見で新井会長は「選手会が以前から危惧していたことが現実になった」と自ら切り出した。問題点として挙げたのは、1球団の独占交渉権では競争相手がいないため選手年俸が抑えられる点。まさに岩隈の事例で「例えば上位3球団に交渉権を与えるとかしないと。第2、第3の岩隈が出るようではいけない」と続けた。自身も同制度でのメジャー挑戦を要望している藤川副会長(阪神)も「メジャーに行きたい選手は数多い。次の世代のことも考え、今のシステムのままではいけない」。来週中に行われる事務折衝でNPB側へ改革を求める方針で、新井会長は「動きを早くしたい」と早期改革を強調した。

 ≪暴排講習会も開催≫暴力団等排除活動(暴排)の講習会を開いた。警察庁や大阪府警の担当者らが具体例を出しながら説明。10月に宮崎で若手選手を前に行ったのに次いで2度目で、日本野球機構・井原敦事務局次長は「活動はまだ着手したばかり。反社会勢力から選手を守るため選手会と連携していく」と話した。社団法人選手会の井端理事長(中日)は「自己管理が一番大切。各球団で全員に伝えていきたい」と話した。

 ≪年金問題は継続審議中≫選手年金制度について意見交換を行った。OBら受給者への説明会や来年2月のキャンプ中に全選手の意見を聞いて方向性を出す。NPBは現行制度について、11月のオーナー会議で一時金を分配して解散する方向で合意したが、新井会長は「解散するかどうかも継続審議中。まだそこが着地点ではない」と話した。新たな年金財源に浮上している球宴の試合増も「他にも協力できる案を提示している」と慎重な論議を呼びかけた。現在の適格退職年金制度は12年3月末で終了するため論議を続けている。

 ▼選手会・松原徹事務局長 メジャー移籍へ覚悟を決めた選手がこういうことになっ問題点が浮き彫りになった。大リーグ機構とのシステムで難しい面はあるが、改革へ向けて本腰を入れて交渉したい。

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2010年12月3日のニュース