岩隈、決裂の真相激白!「お金の問題じゃない」

[ 2010年11月23日 06:00 ]

トレーニングを終え、取材に応じる岩隈

 ポスティング・システム(入札制度)で独占交渉権を獲得したアスレチックスとの交渉が決裂し、来季も楽天に残留することになった岩隈久志投手(29)が22日、仙台市内の球団事務所に姿を見せ、困惑の表情を浮かべた。交渉期間を2週間も残しての破談は異例。岩隈側は金銭面での隔たり以上に、一方的に交渉を打ち切ったア軍の対応に不満を漏らした。一部では他球団に獲られないための妨害工作との憶測も広がっている。

 自らの力の及ばないところで、来季のメジャー挑戦が断たれた。代理人の団野村氏とア軍側の交渉が決裂。この日、Kスタ宮城でトレーニングを行った岩隈は「自分が交渉に入っているわけではないので何とも言えません。ビジネスのことは代理人に任せている。時期が来て話せればいいと思う」と戸惑いを見せた。
 交渉決裂の理由は金銭面の隔たり以上に、ア軍の交渉姿勢にあった。団野村氏が短文投稿サイト「ツイッター」で明かしたところによると、ア軍の第1回目の提示額は4年総額1525万ドル(約12億6600万円)。年平均では381万ドル(約3億1600万円)で、今季の年俸(3億円)とほぼ変わらなかった。一方、岩隈の要求額については、サンフランシスコ・クロニクル紙が年平均1800万ドル(約14億9400万円)と伝えたが、実際は年平均1000万ドル前後(約8億3000万円)だった。
 大リーグの交渉では条件を何度も修正しながら双方が歩み寄っていくのが通例で、特に競合相手がいない入札制度の場合は双方とも強気に出る。同じ入札制度を利用し、06年オフにレッドソックスと契約した松坂の場合も当初1000万ドルの開きがあったが、最終的に交渉期限直前に合意した。しかし、ア軍は初交渉翌日に岩隈側の要求を聞き、すぐに「これ以上払えない」と打ち切った。
 今後の歩み寄り次第で決着への道はあっただけに、岩隈が「お金の問題じゃない。歩み寄ろうとする気持ちがないなら、必要とされてないと感じてしまう」と不信感を抱くのも当然だった。団野村氏も「ツイッター」で「応札額は1910万ドル(約15億8530万円)」と明かすなどア軍の対応に不満をぶちまけた。
 交渉期限は日本時間12月8日午後2時だが、双方が再び交渉のテーブルに着く可能性は極めて低い。来季中には自由に移籍先を選ぶことができる海外FA権を取得する岩隈。今回の破談劇は入札制度のあり方に一石を投じることとなった。

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2010年11月23日のニュース