限界寸前も何の!小久保が延長10回V打

[ 2010年9月6日 06:00 ]

<オ・ソ>勝利インタビューを終えた小久保は、ファンの声援に応え、引き揚げる

 【ソフトバンク4-2オリックス】ソフトバンクは延長10回、小久保裕紀内野手(38)の決勝2点打でオリックスを下し、連敗を4で止めた。苦しい時こそ主砲のパワーが頼りになる。

【試合結果


 ソフトバンク・小久保の頭の中は真っ白だった。神戸市内が最高気温34・3度を記録した中でのデーゲームで、10回2死満塁。心身ともに限界寸前だったが、それでも香月の137キロ直球に体が反応した。打球は左翼・T―岡田の頭上を軽々と越える。決勝の2点適時二塁打だ。

 「集中力はなかった。自然体だったね。暑い中、この2日間めっちゃ疲れたよ…」。前日は最高気温35度の中、今季9イニングでのリーグ最長となる4時間30分を戦い抜いた。小久保も暑さの影響で試合中に左足がつりかけたほど。この日の試合前はアップを行わず、グラウンドに姿を見せたのは練習終了20分前。「体力が落ちると集中力が続かん。結果を出すための最善策」と小久保。その「貯金」で、延長戦でも一振りに懸けるだけの力を残していた。

 2日に首位の座から陥落。気落ちした主将を奮い立たせたのは車窓の風景だった。チームは3日、新千歳空港から関西空港へ飛び、そのままバスでスカイマークへ。「03年にも(優勝直前に)関空からスカイマークに行ったなあ」。右ひざ故障でリハビリ中だったが、リーグV目前とあって03年9月27日にチームに合流。同30日に歓喜の瞬間を迎えた。その時と同じ景色が勇気をくれた。

 「2アウトから小久保がよく打った」と秋山監督。今季延長戦は8勝1敗5分けの勝負強さ。主将の価値ある一打で、首位・西武と1・5ゲーム差に踏みとどまった。

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2010年9月6日のニュース