猛練習実った慶大 元プロ監督の采配ズバリ

[ 2010年5月31日 19:20 ]

東京六大学野球リーグで慶応大を11季ぶり優勝に導いたの江藤省三監督

 【慶大6―4早大】すし詰めとなった三塁側の慶大応援席の前で優勝インタビューのマイクを向けられると、68歳の江藤監督は涙で声を詰まらせた。「本当によく練習についてきてくれた」。就任1季目で優勝旗を手にし、孫のような年代のナインの手で3度宙を舞った。

 大一番で打順にメスを入れた。全試合で1番に起用していた山口を「最近出塁率が悪い」と3番に回すと、五回2死で左翼席へ値千金の2ラン。今季無安打だった竹内一は3安打で先発抜てきに応えた。2点リードの九回2死一塁で、指揮官は「次は本塁打が出ると思った」と球威の落ちた福谷に代えて4年生の田中宏を投入した。勝負どころで采配もさえた。
 「プロが練習しているんだから、アマもしなくてはならない」。平日に1日500本、休日には千本近くの振り込みを課した打線が、斎藤、福井、大石のドラフト候補3投手から2点ずつ奪った。「よその10倍練習している。3投手を打たないと勝てないと言い聞かせた」と早大優勢の前評判を覆した。
 「アマはあまりうまくない選手がうまくなっていくうれしさがある。できあがった選手で勝つプロとは違うね。最高です」。現役時代は巨人、中日で活躍し、横浜ではヘッドコーチとして活躍。プロで培った経験を存分に生かし、優勝に飢えていた“陸の王者”を歓喜に導いた。

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2010年5月31日のニュース