最初じっくり、次積極的に…ロッテ初対戦投手攻略

[ 2010年4月22日 06:00 ]

<楽・ロ>3回1死二塁金泰均の二塁打で生還した井口を迎える西村監督

 【ロッテ6-0楽天】初対戦の相手を攻略するひとつの見本を示した。

 ロッテ打線がプロ初先発の楽天・戸村をとらえたのは打順2回り目の3回。1死二塁から井口の中堅フェンス直撃の二塁打で先制すると、金泰均も右翼フェンス直撃二塁打で続いた。福浦も中前適時打するなどこの回、一挙4点。西村監督は「2回り目からキッチリうちの攻撃ができた」と振り返った。

 1回り目はじっくり球筋を見極める作戦。2回までの打者9人中、ファーストストライクを打ちにいったのは右前打した福浦とファウルになった里崎だけで計38球を投げさせた。そのうち8人の初球は直球。3回は一転して井口、金泰均、大松がファーストストライクの直球を積極的に叩いて3連続長短打した。

 データがある投手は序盤から積極的に攻め立て、データが少ない投手はじっくり攻めるのが今季のロッテ。実際、9日の西武戦(千葉マリン)は涌井に対し、初回に6得点。15日の日本ハム戦(札幌ドーム)は初対戦のケッペルに序盤は手こずったが2回り目以降の3、4、5回にそれぞれ1、2、3点を奪ってKOした。イニング別の得点を見ても最多は4回の24点、次いで多いのが初回と3回の19点だ。好調な打線は相手投手によって攻撃のパターンを変えて確実に攻略している。

 3試合ぶりの2ケタ安打となる11安打6得点で連敗を2で止め再び貯金10。昨年7月に施設訪問し、1年ぶりに再会した福島県立ろう学校の子供たちが見守る中で二塁打2本を放った井口は言う。「フェンスを越えないのは強振していないから。つなぐのが最優先です」。目立ったヒーローはいなくても全員が主役。一丸となった攻撃を一貫して続ける打線が安定して結果を出しているのは必然だ。

 ≪小野悔しい3勝≫ロッテの先発・小野が、5回2安打無失点で無傷の3勝目を挙げた。4回終了後に違和感が出た左でん部の張りが強くなったため、大事を取って降板した右腕は「4回からペースをつかんだし、降板は悔しい。最後まで投げたかった」と複雑な表情。それでも6回から救援陣も踏ん張って完封リレーで快勝し、西村監督も「投手も野手も良かった。ナイスゲーム!」と納得の表情だった。

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2010年4月22日のニュース