火だるまのオレがなぜ!星野氏WBC監督断る

[ 2008年9月10日 06:00 ]

星野仙一氏

 北京五輪で4位に終わった野球日本代表監督の星野仙一氏(61)は9日、本紙の取材に対して、来年3月の国別対抗戦、第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表監督就任を要請されても受諾しない意向を示した。メダルを逃した北京五輪での采配に批判が集まっていることなどを理由としたが、今月中をメドとしていた監督人選への影響は必至となった。

 都内で取材に応じた星野氏は初めて現在の心境を吐露した。メダルなしで北京から帰国して16日がたち、静かな口調で自らの考えを明かした。
 「オリンピックで負けていろいろな批判もある中で、仮にそういう話(WBC監督要請)が来たとしても、引き受ける状況ではない。正式に要請があったわけでもないし、また、こういう事は自分から“やりたい”というものでもない」
 金メダル獲得を掲げて臨んだ北京で惨敗。期待が大きかっただけに反響もすさまじく、その采配に疑問が集中。ワイドショーや週刊誌などで連日取り上げられ、責任を追及する声が噴出した。その中でも巨人・渡辺恒雄球団会長が「星野君以上の人間がいるかね」と発言。WBCでも日の丸の指揮を執る動きは水面下で進んでいたようにも見られたが、星野氏自身がこれを否定した。
 「こんな世論の中でオレがやっても盛り上がらんやろう。前から言っているように若い人がやればいいと思う」
 球界内でも星野氏の代表監督就任には疑問を投げかける声も上がった。中日・西川球団社長が監督人選のルール化を訴え、前年度日本一監督の就任案や、前回WBCからの勝率1位監督がやるべきなどの案が浮上。ただ、1日の実行委員会では12球団の意見がそろわず、監督問題は加藤コミッショナーに一任する形となっていた。
 星野氏は更新した自身のホームページでも「今、火だるまになっているおれがなんでまた“火中の栗”を拾うようなことをするのか」とつづっている。また「娘たちもおれがこうしてさらし者になっていることで、余計に心を痛めている」と家族の反対があることも受諾しない理由の1つとした。
 北京で受けた屈辱について「批判はすべてオレ1人が受ければええ」とも語った。現在、星野氏はNPBに提出するために五輪の総括を文書にしてまとめている。その“星野リポート”を誰が来年3月に生かすことになるのか。いずれにしても時間はそうない。

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2008年9月10日のニュース