由規 笑顔のプロ初勝利!5回1死まで完全

[ 2008年9月7日 06:00 ]

<ヤ・巨>力投するヤクルト先発・由規

 【ヤクルト7―4巨人】泣き虫ヨシくんが笑顔の1勝だ!ヤクルトの高校生ドラフト1巡目ルーキー・由規投手(18)が6日の巨人戦で先発し、6回3失点。プロ2試合目の登板で、うれしい初勝利を挙げた。5回1死までパーフェクトに抑えるなど重量打線を手玉に取り、このカードの連敗も8でストップ。スターへの一歩を踏み出した“剛球王子”がCS進出の切り札になる。

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 トレードマークだった涙はない。由規は雨空のお立ち台で、とびっきりの笑顔を振りまいた。
 「め―――っちゃくちゃうれしいです!!」
 大好きな「EXILE」の「DREAM CATCHER」をテーマ曲に上がった神宮での1軍初マウンド。自らの右腕で初勝利をつかんだ。
 「開き直るというか、攻めることを目標に投げた」。1回2/3を6失点と乱れたプロ初登板。先月30日の横浜戦(横浜)の教訓を生かして低めと両サイドを突き、5回1死まで完全投球。絶好調の小笠原に初回は外角151キロで空振り三振、4回も外角148キロで空を切らせた。2回、二岡の3球目には自己最速にあと2キロと迫る155キロをマーク。大入りの本拠地ファンをどよめかせた。
 3点リードで迎えた5回1死から高橋由のソロで初安打を許し、6回には押し出し死球と犠飛で2失点。なお2死一、二塁のピンチだったが「あの回は任せようと思った」という高田監督の期待に応えて高橋由を内角150キロで二ゴロに仕留めた。6回2安打。気迫の99球を受けた女房役の福川が2発5打点で援護した。
 失敗を糧にした。パワーアップを目指して自主トレからキャンプにかけて昨夏の73キロから8キロ増量。しかし、これがアダとなり、フォームのバランスを崩した。「バランスよく筋肉をつけた」と開幕後には4~5キロ絞り、現在は76~77キロ。体重の増減に合わせて足のサイズも変わり、スパイクのサイズは3度変わった。1カ月前から右足27・25と左足27・0に固定されているが、寮にある数種類のスパイクは18歳がプロでもがいてきた証だ。
 技術面でも試行錯誤を繰り返し、試合中のフォームの修正が可能になった。イースタン8勝を挙げ、チャンスをつかんだ。この日は「ゴンちゃん(ゴンザレス)から、ゆっくりしたフォームで投げた方がいいとアドバイスされた」と試合前の助言を生かした。
 高田監督は「100点つけていい。誰がいってもやられているんだから。巨人相手なんだから」と絶賛。次回登板も13日の巨人戦(東京ドーム)が濃厚だが、CS進出争いのキーマンは「ここで終わっちゃいけない。強気だけは忘れちゃいけない」と頼もしかった。

 ≪家族ら20人応援≫スタンドでは3日前に49歳の誕生日を迎えた母・美也さんが最高のプレゼントに目を潤ませた。前夜は手製のちらし寿司、ひじきの煮付け、ポテトサラダを寮に差し入れた。試合後にはクラブハウスで両親にウイニングボールが渡され「頼もしく見えました」と感慨深げだ。仙台育英1年の弟・貴規さんの試合の応援のため、1日で東京―仙台間を往復した父・均さんは「家族で戦っていますから」と胸を張った。

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2008年9月7日のニュース