愛息に雄姿 福留8連勝呼ぶ決勝犠飛

[ 2008年6月4日 06:00 ]

パドレス戦の2回、中前打を放つカブスの福留

 【カブス7―6パドレス】カブスの福留孝介外野手(31)が2日(日本時間3日)、パドレス戦で1安打1打点2得点の活躍。5回には決勝犠飛を放ち、チームを8連勝に導いた。06年のWBCで世界一を勝ち取った思い出の地ペトコ・パークにメジャー移籍後初めて乗り込み、相性の良さを発揮。日本からスタンドに駆けつけた家族にも初めて雄姿を見せた。

 4球続いたスライダーを見逃すはずもなかった。同点の5回1死二、三塁。福留が代わった左腕ハンプソンの内角をえぐる137キロをきっちり打ち上げた。勝ち越しの右犠飛。この一打が決勝点となり、カ軍では01年6月2日以来、7年ぶりとなる8連勝に導いた。
 「内野が下がっていたので、引っかけて二ゴロになっても1点入るし、それでもいいと思っていた」と楽な気持ちで打席に入ったという。初回に中前打を放ち、4回には四球で出塁し生還。7回にも四球を選び二盗を決め、追加点を踏むなど「1つずつでも点を取って積み上げていけばいい」と持ち味を発揮した。
 ベンチへ向かう通路で、記憶がフラッシュバックした。ペトコ・パークに足を踏み入れたのは、06年WBCで優勝を飾ったとき以来。2次リーグまでは打撃不振だったが、準決勝・韓国戦では代打決勝本塁打を放ち「FUKUDOME」の名を全米にアピールした思い出の地だ。「ああ、ここで、確かそうだなという感じ。はっきり覚えているわけではないけど」と淡々と語ったが、2年の月日を経ても相性の良さは変わっていなかった。
 スタンドでは日本から駆けつけた和枝夫人と生後5カ月の長男の颯一(はやと)君が熱視線を注いでいた。試合前に約4カ月ぶりに再会。「子供はずっと大きくなっていた。(試合中は)寝ていたんじゃないかな」と照れ笑いを浮かべたが、初めて生観戦した愛息に、最高の結果を届けた。
 家族を大切にする米国らしく、ピネラ監督は「一緒に過ごせるようにあすは休ませる」と3日は休養日を与え、練習免除の方針を明かした。異国の地に単身で乗り込んだ挑戦に訪れたひと時の安らぎ。“全米進出”の原点ともいえる地で、福留に大きな力が注がれた。

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2008年6月4日のニュース