西武 怒とうの4連打で逆転サヨナラ劇

[ 2008年5月2日 06:00 ]

<西・ソ>9回2死一、三塁、西武・石井義がサヨナラ安打を放ち、先発・涌井(中央)らも大騒ぎ

 【西武5-4ソフトバンク】まさに奇跡だ。西武は1点を追う9回2死走者なし、しかも2ストライクと追い込まれてからの逆転サヨナラ劇。会見場に姿を見せた渡辺監督の顔は上気し、目は赤く充血していた。

 「本当に素晴らしいの一言。選手があきらめないでやってくれた。信じられないし、涙が出てきそうだった」。6戦連続3本塁打以上の日本記録がかかった試合。3回ボカチカ、5回細川のソロでリーチをかけたが、この日の“西武花火”のトリは本塁打ではなく怒とうの4連打だった。

 9回2死からボカチカが8球粘って左翼線二塁打。片岡が右前打で一、三塁にすると帰り支度を始めていたファンの足が止まった。負傷交代した赤田の代役・大島が中前に落とす同点打。そして奇跡の最後を飾ったのは今季初めて3番に入った石井義だ。負傷欠場した中島の代役がホールトンの128キロチェンジアップを右前へサヨナラ打。ナインから祝福のウオーターシャワー攻めにあい「なぜかお茶をかけられてくさいけど、最高に気持ちいい」と満面に笑み。大久保打撃コーチは「何が起きたか分からない。人生で初めて過呼吸になった」と興奮した。

 日本記録こそならなかったが、それを上回る興奮度の劇的勝利。貯金を今季最大の7とした渡辺監督は「最後は本塁打に依存しかけたけどね」と本音ものぞかせたが、それはご愛きょう。一発あり、つなぎあり。ナベQ西武野球には、野球のだいご味がギッシリと詰まっている。

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2008年5月2日のニュース