監督ご機嫌「野村君に代わってマー君」!

[ 2008年4月13日 06:00 ]

<楽・オ>楽天・田中がライトスタンドの桜を背に気合の入った表情でボールを投げ込む

 【楽天3―0オリックス】楽天・田中将大投手(19)が自身2度目の完封勝利で今季2勝目を挙げた。12日のオリックス戦(Kスタ宮城)に先発し、自己最少の被安打3で10奪三振。プロ2年目ながら本拠地での通算9勝は一場に並ぶトップとなった。マー君の“スイート・ホーム”でチームも今季負けなしの7連勝を飾った。

 正直なところ最後は不本意だった。外角低めに決まった147キロの直球。内角に決めるはずの逆球に楽天・田中は首をひねった。だが、木元のバットは反応せずジャスト10奪三振。昨年6月13日の中日戦(フルスタ宮城)以来プロ2度目の完封勝利にも、19歳はさらりと振り返るだけだった。
 「相手をゼロに抑えられるのは気分がいいです。凄くいい感じではなかったけど、要所を抑えられた」
 “脱力投法”が今季2勝目をもたらした。いつもの荒々しさはない。ゆったりした動きからリリースだけに力を集中させたことでフォームが安定。すると、今季ここまで不調だったスライダーがよみがえり、半数の5三振を“伝家の宝刀”で奪った。「なるべく力を抜いて体がぶれないように意識した。スライダーの制球が戻ってカウントも取れるようになった」。最大の武器の復活が精神的余裕も生み、6回2死まで無安打投球。「打たれていないのはスコアボードを見て分かっていたけど、意識しなかった。あり得ないですよ」と快記録にはむとんちゃくだったが、自身最少の被安打3でフィニッシュした。
 球団の経営諮問委員会のメンバーや三木谷球団会長が視察する中、今季の本拠地での無傷の連勝も7に伸び借金も1に。野村監督は「球場の名前を変えます。不敗スタジアムにします」とご満悦。さらに田中の好投には「ノーヒットノーランやるんじゃないかってな。きょうはオレに聞くことないでしょ。マー君呼んでこようか。“野村君に代わってマー君”」と2人で出演するCMのセリフをまねておどけた。
 ようやく見ごろになった仙台の桜に負けないほど見応えがある田中の投球。「ファンの方々の後押しがあるから、持っている以上のものが出ると思う」。19歳の本拠地勝利は、あと1つで10になる。

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2008年4月13日のニュース