アニキ2000安打!まだまだやるでぇ

[ 2008年4月13日 06:00 ]

<横・神>7回2死三塁、金本は右前に通産2000本安打を放ちファンの声援に応える

 【阪神6―3横浜】やっと出た!阪神・金本知憲外野手(40)が12日の横浜戦(横浜スタジアム)で史上37人目の通算2000安打を達成した。7回2死三塁で迎えた第4打席で右前適時打。40歳と10日は史上3番目の高齢、王手をかけてから19打席目は史上最も遅い到達だった。努力で手に入れた鋼の肉体と強い精神力でたどり着いた17年目の金字塔。フルイニング出場の世界記録も更新中だ。

【金本記録達成グッズ
金本ジャージ
名球会Tシャツ


 節目の一打は金本の望む場面で生まれた。新井の勝ち越し打の直後、7回2死三塁で巡ってきた第4打席だ。弟分が用意した舞台に応えた。寺原の150キロ直球を右前へ。プロ17度目の春。2000本目の安打はバットを折りながら運んだ。
 「とにかく1点が欲しかった。最初に思ったのは、1点入ってよかったということだった」
 ベンチを飛び出した矢野と新井から記念パネル、横浜・石井からは祝福の花束を渡された。記念の白球も手元に戻った。「ボールをどうするかはまだ決めてないけど…」。涙はない。晴れやかな笑みが浮かんだ。
 今年の元日。恒例の自主トレ始動に際し「反発心」という表現で決意を表した。「新聞や雑誌を読むと“そろそろ限界だろう”と周りに思われていると感じた。今年で40歳。去年の成績も悪かったし手術もした。だから…」。残り13本で迎えた今季の開幕。2000安打を「目標にはならない」と言い切った。ただ、涼しい顔で通り過ぎることに意義を覚えた。
 開幕から13試合目。王手をかけてから19打席を要した。18打席かかった故江藤慎一氏、柴田勲氏の記録を、1打席更新。「そんなに苦しんでいたわけではない。ずっと接戦だったので」。4番打者として背負うのは記録の重圧ではなく、勝敗だと決めている。だから、記録達成が勝利につながったことが何よりうれしかった。
 反発心――。いつも抱いてきた感情だった。自称「外れ4位」で広島入団。江藤、前田ら同世代に有望選手を抱えた当時のチーム内では目を引く存在ではなかった。自主練習のために自分で張った打撃用ネットは今も広島の実家に残る。史上3番目の高齢達成は、そんな日々の上に築かれた。
 02年オフにFAで阪神に移籍。2年前の冬、帰省した実家で母の作ったスクラップブックを見つけた。新聞の切り抜きは03年から始まっていた。故郷を離れた後も温かく見守られていた。「野球をやりなさい」。10歳の頃だ。猛練習に嫌気がさして一時的に野球から離れた心を引き戻してくれたのは母の言葉だった。
 「両親はもちろん、神様や先祖に感謝したい。目に見えない何か強いものに守られているんだと思う」
 今月3日で40歳になった。昨年オフに左ひざを手術したが「鉄人」と呼ばれる不屈の闘志でリハビリをこなし、連続フルイニング出場も、この日で1199試合まで伸ばした。通算400号へはあと3本。「次は2500という数字。本塁打もできれば500を目標に頑張りたい」。金本の目に終着点は映っていない。

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2008年4月13日のニュース