新コミッショナーに“野球通”前駐米大使

[ 2008年4月10日 06:00 ]

2004年5月、マリナーズ戦の始球式に臨む加藤良三駐米大使(左)に記念のバットを渡すヤンキースの松井秀

 日本プロ野球組織(NPB)の新コミッショナーに前駐米大使の加藤良三氏(66)が就任することが9日、分かった。加藤氏は外務省指折りの知米派で、国際化が進む野球界のかじ取り役として期待される。外交官出身のコミッショナーは、下田武三氏以来、2人目。6月18日に開かれる実行委員会、オーナー会議で承認を得て、7月1日付で第12代コミッショナーに就任する。

 昨年1月に根来泰周コミッショナーが任期切れに伴い退任し、コミッショナー代行に就任。これを受け、オーナー会議のメンバーを中心に後任人事を進めてきた。これまでは官界、法曹界からの就任が主流だったが、根来代行は国際感覚のある人材を求め、最終的に加藤氏に絞った。
 加藤氏は06年、日本が優勝した第1回WBCの2次リーグ、日本―米国戦で始球式を務め、大会前の1月には日本代表の王貞治監督と大リーグ通算755本塁打のハンク・アーロン氏をワシントンの日本大使公邸に招いてパーティーを開いた。大リーグにも造詣が深く、ヤンキースの松井秀を激励するために何度か球場にも足を運んでいる。プロ野球界はWBCやアジアシリーズなど国際大会開催や、大リーグへの日本人選手の移籍増など国際化が急激に進んでおり、加藤氏は最適な人物といえる。
 NPBでは現在、野球協約の改定作業が進行中で今年10月にはコミッショナー事務局、セ・リーグ、パ・リーグの3局の統合を予定している。退任する根来コミッショナー代行は、協約改定完了まで顧問的な立場として新コミッショナーをサポートすることになる。

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2008年4月10日のニュース